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Ingressが自治体を動かした...先進地帯・岩手県が目指す地域振興=「ゲームノミクス」

Jタウンネット編集部

Jタウンネット編集部

2015.05.30 11:00
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ゲームコンテンツを活用して地域振興を行う「岩手県庁ゲームノミクス研究会」が2015年5月19日に発足した。グーグルが提供する位置情報ゲームアプリ「Ingress」(イングレス)を中心に、ゲームをPR媒体として活用することで、県の魅力の浸透や地域社会の発展を目指すという。

Ingress Astoria New York
Ingress Astoria New York

このゲーム特性と、地域振興の相性は良いようだ。あまり知られていないような地方の名所や観光スポットも、ゲーム内でポータルになればプレイヤーの注目を集めることができるからだ。また、陣取りゲームというシステム上、参加するプレイヤーは多くのポータルを回りたいと考える。つまり、多くの観光名所を巡ってもらえる「スタンプラリー」の現代版のようなものだといえる。実際、Ingressを使った地域活性化の取り組みは、神奈川県横須賀市や茨城県など日本全国の様々な自治体が行っている。

「岩手県×Ingress」の取り組み

だが、このIngressにいち早く目をつけたのは岩手県。岩手県理事と秘書広報室副室長、首席調査監の3職を兼任する保 和衛(たもつ かずえい)さんを発起人に、14年9月に県庁職員の有志で「岩手県庁Ingress活用研究会」(以下、Ingress研)を結成した。

観光スポットがポータルに
観光スポットがポータルに

10月に、第1回のイベントとして、「ポータル探して盛岡街歩き」イベントを開催。これは、「盛岡市内をIngressのプレイに快適な環境にすることが大事」だと考えたIngress研が、市内にポータルを大幅に増やすため、ポータル候補地の探索と申請を目的に行ったもの。参加者は、県内から想定の倍以上の54人が集まった。

この岩手県の取り組みにIngressの開発・運営を行うNiantic Labs(ナイアンティック・ラボ、グーグル社内ベンチャー)が応え、「最初に動いた岩手県の独創的な試みをアシストしたいと思います」というつぶやきを投稿。イベントで申請されたポータルの審査を、優先的に実施。これにより盛岡市は、全国有数のポータル密集エリアとなった。

県内外から160人が集まった第2回イベントの様子
県内外から160人が集まった第2回イベントの様子

2月には、地元のイベント「もりおか雪あかり2015」の開催時期に合わせ、「ポータル大量発生感謝!ハック&キャンドルin盛岡」を実施。スマホの無料充電サービスや参加者の特別割引など、盛岡市内の店舗との連携も行った。イベントは大盛況で、県内から120人、県外からも40人が参加したという。

「Ingressの持つ可能性と効果」(Ingress研の活動報告書より)
「Ingressの持つ可能性と効果」(Ingress研の活動報告書より)

このような取り組みを続けてきたIngress研だが、平成26年度を持ってその活動を終了。その活動成果を継承する形で発足したのが、「岩手県庁ゲームノミクス研究会」だ。今回、Ingressと岩手県を結びつけた「仕掛け人」で、ゲームノミクス研究会の主宰を務める保さんに、Jタウンネット編集部がお話をうかがった。

「ゲームという窓から、そのプレイヤーに岩手を覗いてもらい、岩手を知ってもらう」――。「Ingress×岩手県」、その活動の中心を担う保さんのお話は後編(「発起人に聞きました...岩手県はIngressにどう取り組み、そして何を目指すのか」)で。
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