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四国No.1都市はどっちだ!?高松と松山の都会度を検証する

Jタウンネット編集部

Jタウンネット編集部

2015.04.11 11:00
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日本の面積の4.8%、人口の3.3%を占める四国は、中央に四国山地や讃岐山脈がある、急峻な地形で可住地が比較的少ない島だ。東西南北の往来が不便だったこともあって、文化がバラバラでまとまりがなく、四国経済をリードする政令指定都市もないが、国土の重要部分であることに変わりない。

国の出張機関の多くは香川県高松市に置かれている。本土に一番近い県庁所在地だったからと思われるが、本四3橋の開通後、関西圏に一番近い県庁所在地は徳島市になり、かつてほどの存在感はない。

島内で最大の都市は51万6000人の愛媛県松山市だ。高松市は四国の人口2位で41万9000人。以下、3位が高知市の33万5000人、4位が徳島市の26万1000人と続く。
人口密度でも松山市は高松市を上回っている。

高松市と松山市の位置関係(編集部作成)
高松市と松山市の位置関係(編集部作成)

NHKは四国ブロックの拠点を松山に置いている。BS列島ニュースで映されるのは同市の街並みだ。福岡・広島・大阪・名古屋・仙台・札幌と並んで登場する。「四国一の都会はやっぱり松山なんだな」と視聴者が思ってもおかしくない。

四国で実力最大都市なのは、高松か松山のいったいどちらなのか。

四国で一番高いビルは高松に

両市とも海に面しているが、海の向こうから見た景色は高松の方が都会っぽい。四国最大の30階建て高層ビル「高松シンボルタワー」(高さ151.3メートル)がそびえる。
ネーミングはちょっとアレだが、NTTドコモ四国支社や住友商事四国支店、JFEスチール四国支店、カゴメ四国支店など、名だたる大企業の支社・支店が置かれている。

高松シンボルタワー(Fg2さん撮影、Wikimedia Commonsより)
高松シンボルタワー(Fg2さん撮影、Wikimedia Commonsより)

一方の松山は、先述のNHKをはじめ日本郵便、NTT西日本など、総務省につながる組織・法人がオフィスを置いている。
それでも大企業や国の出先機関の集まり具合で高松にかなわない。

強力な観光スポットのある松山

政府は外国人観光客の誘致に積極的で、地方自治体も観光業の支援や強化に努めている。

観光資源でいえば松山は、温泉と城という2大コンテンツを持っている。
温泉入浴施設としては唯一の国の重要文化財に指定されている共同浴場「道後温泉本館」は、「千と千尋の神隠し」の湯屋のモデルになり、夏目漱石も愛したことで知られる。
残念なことに同施設は、2017年の国体開催終了後に7年間の改修工事に入る。本館の代替施設が作られる予定だが、今のうちに入湯しておく価値はある。

道後温泉
道後温泉本館(alberth2さん撮影、Flickrより)

もう一つは平山城の傑作、松山城だ。町のど真ん中にある天守閣は標高131メートルの山頂にあり、市街地と海が一望できる。この地を訪れた人が「これこそ天空の城」とネットに感想を残しているが、あながち誇張ではない。

松山城_44
松山城(variationblogrさん撮影、Flickrより)

景観を守るため松山の高層ビル建設は規制されている。高松シンボルタワーのような建築物がないのはこのためだ。

高松の観光スポットで評価が高いのは栗林公園、屋島、高松城跡・玉藻公園、鬼ヶ島大洞窟など。中でも栗林公園は江戸時代初期の回遊式大名庭園として知られ、度々映画のロケ地になっている。

初夏の栗林公園 (Ritsurin Garden in early summer)
初夏の栗林公園(cyber0515さん撮影、Flickrより)

市外まで含めれば「こんぴらさん」こと金刀比羅宮もあるのだが......。
最近の高松は、アート芸術の拠点、そして讃岐うどんの本場としても全国にアピールしている。それでもキラーコンテンツの有無で松山に軍配を上げたい。

スタバと自動改札の数は?

他所からみれば似たような両都市だが、都市としての成熟度(?)を表わすスタバや3大メガバンクの有人店舗数などの数を比較してみよう。

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ツタヤとゲオの合計店舗数で松山が上回っているものの、それ以外の点は同数か高松が上回っている。とくに買い物に便利な商業施設の規模と数では高松が圧倒している。

市の基礎体力はどうか。東洋経済新報社の「都市データパック2014年版」をもとに編集部がまとめた各種データを紹介しよう。
人口規模は松山の方が上回っているのに、事業所数や卸売業年間販売額で高松に差を付けられている。病院・診療所数や公共下水道といったインフラ面でも松山は負けている。

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上の表には加えなかったが、高松ではテレビ東京系の番組が視聴できるのに松山では見られない。

大空襲からの復興が高松の転機となった

様々な角度から両市を比較したが、都会度からいえば高松の優位は揺るがない。

ツイッターの投稿をチェックしてみても、松山推しの人がいないわけではないが、高松の方が都会という書き込みが目立つ。一方の松山は「昭和の匂いがする」と指摘する声もあった。

第二次世界大戦で両市とも空襲で大きな被害を受けたが、高松の方が損害は大きかった。同市の復興事業はかなり大規模なもので、道路は広く真っすぐになった。墓地の集約も敢行している。
道が狭くて踏切の多い松山より車が運転しやすいともっぱらの評価だ。

改札口が1カ所しかない松山駅も変化が

松山市民が「なんとかしてほしい!」と思っているのは、レトロなJR松山駅ではないか。伊予鉄道松山市駅が事実上の中心駅とはいえ、平成のご時世にしては旅情感にあふれすぎている。県庁所在地の駅の中では山口駅と双璧との評判だ。

JR松山駅(Taitaiyakiさん撮影、Wikimedia Commonsより)
JR松山駅(Taitaiyakiさん撮影、Wikimedia Commonsより)

自動改札機のある高松駅と、どちらが都会的なのは言うまでもない。

JR高松駅(JKT-cさん撮影、Wikimedia Commonsより)
JR高松駅(JKT-cさん撮影、Wikimedia Commonsより)

ほとんどの市民が何とかしてほしいと思っていた松山駅は、ようやくモダンな建物に生まれ変わる。予讃線の高架化に合わせて、駅舎と駅前広場を整備するからだ。路面電車を延伸し、停留場も移設される。
当初は2017年の完成予定だったが2020年に延びている。それすらもちょっと怪しいという声も上がっているが......。

立体交差工事完了後のJR松山駅イメージ図(愛媛県公式サイトより)
立体交差工事完了後のJR松山駅イメージ図(愛媛県公式サイトより)

松山空港があるのは線路の西側だが、駅の改札口は東側の1カ所しかない。反対側にも改札ができることで、飛行機から鉄道への乗り継ぎも便利になる。市民にとっては待ち遠しいだろう。

立体交差事業の全体図(愛媛県公式サイトより)
立体交差事業の全体図(愛媛県公式サイトより)

市の玄関口がキレイになるだけでなく、市内を分断している踏切が撤去されるメリットは大きい。

今回の対決でいいところの少なかった松山市だが、都市として一体化することで、人口規模に見合った実力を発揮できる日はくるだろうか。

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