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何の関係が...? 宮城・蔵王町が「真田幸村ゆかりの郷」で町おこしする理由

Jタウンネット編集部

Jタウンネット編集部

2015.04.07 16:52
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真田の郷・蔵王町のPR活動公式ホームページ
真田の郷・蔵王町のPR活動公式ホームページ

真田幸村(信繁)といえば、大阪夏の陣で徳川家康をあと一歩のところまで追いつめた、戦国屈指の知名度を誇る名将だ。
彼の活躍は小説やドラマでしばしば描かれ、2016年のNHK大河ドラマ「真田丸」では堺雅人さんが主役を務めることが決まっている。脚本は「古畑任三郎」「ラヂオの時間」の三谷幸喜。これ以上ない強力タッグに期待は高まる。

さて、その真田幸村ゆかりの地――といえばどこを思い浮かべるだろうか。まずはやはり、真田家が本拠地とし、徳川の大軍を2度も翻弄した上田城(上田市)だろう。あるいは、「真田丸」でも主要な舞台になりそうな大阪城。兄・信之とその子孫が治めた松代あたりも候補かもしれない。

真田の郷といえば宮城!?

ところがGoogleで「真田の郷」や「真田幸村 町」と検索すると、検索結果トップに表示されるのは上田市ではない。長野から車で約400キロ離れた宮城県蔵王町だ。

真田の郷・蔵王町のPR活動公式ホームページを開くと、堂々こう書いてある。

「蔵王町は、真田幸村公ゆかりの郷です」
「祝 真田幸村公2016年大河ドラマ化決定!」

東北新幹線白石蔵王駅は真田家の家紋「六文銭」や幸村に扮した武者の写真でいっぱいだ。

地元教育委員会制作のマンガは必読

真田幸村が宮城県内に領地を持った記録はない。多分、宮城に行ったことなんて生涯一度もないだろう。

それでも真田の郷を名乗る理由は、幸村の末裔がこの地に根を下ろしているからだ。先述の公式ホームページには次のように記されている。

「幸村公の子女5人は戦火をかいくぐり、密かに白石城主片倉重綱のもとで養育されていたのです」
「その後、5人のうち幸村公の五女阿梅は片倉重綱の妻となり、次男大八は伊達家の家臣となって刈田郡矢附村・曲竹村(現在の蔵王町矢附・曲竹地区に領地を与えられました)」
「日本一の兵 真田幸村公の血脈は、『仙台真田氏』としてわが郷土に深く根を下ろしたのです」

仙台真田氏の歴史は、同サイトにアップされているコミックでも読める。「仙台真田物語」(制作・発行:蔵王町教育委員会)には伊達家に匿われた理由が紹介されている。ちなみに改訂版だそうだ。

読み物「仙台真田物語」
読み物「仙台真田物語」
「――なんと幸村は、徳川方である伊達政宗を頼ったのです! ――(中略)――『大阪城落城の折は、我が主幸村の子息大八君と姫君数名をお預かりの上、時を見て真田の名を世に出すお力添え、お願い申し上げます。』幸村の使いの話を聞いた政宗はニヤリと笑いながら、『幸村殿の願い、ようわかった。遠慮なく頼ってこられよ。』と答え、腹心の片倉小十郎重綱に全権を任せたのでした」

そうだったのか......蔵王町が真田推しなのも分かる。タイトルが「仙台真田」なのも――と感心していたら、ページの最後に次のような記述があった。

「※このエピソードは史実にありません。物語の進行上創作したものです」

進行上って......現在の子孫にとってはかなり重要な場面ですよ!
この後「物語上の演出を行なっています」というエクスキューズがちょくちょく出てくる。
いくらなんでもゆるすぎない?とツッコミを入れたくなるが、若干ファンタジーが入った方が読み物としては楽しい。
そういえばゲーム「戦国BASARA」では、真田幸村と伊達政宗はライバルとして描かれていた。そのあたりも踏まえて、仙台に残った幸村の血筋に思いをはせるのもまたいいかもしれない。

上田市も似たような読み物作ってます!

一方の上田市も負けてはいない。大河ドラマ放送決定を受けて早くも真田ブームに沸いている。2015年3月24日には六文銭をモチーフに信州上田をイメージする新たなロゴマークを制作・発表したばかり。

上田市が発表したロゴマーク(大河ドラマ「真田丸」フェイスブックページより)
上田市が発表したロゴマーク(大河ドラマ「真田丸」フェイスブックページより)

冊子「信州上田真田氏物語」をインターネットで配布しているのは蔵王町と一緒だ。こちらは18ページだがオールカラー。気合いで蔵王町に負けていない。

冊子「信州上田真田氏物語」
冊子「信州上田真田氏物語」
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