日本一の魚屋『根津松本』の主人による、本当においしい魚とその食べ方
日本一の魚屋『根津松本』の主人による、本当においしい魚とその食べ方
東京の下町・根津にお店を構える鮮魚店『根津松本』。ただの魚屋ではありません。扱う魚介は超一級品揃い、当然ながら価格もそれ相当に高い。しかも、プロ向けではなく、一般客向けに販売しています。
昨年、NHK『プロフェッショナル』でも取り上げたので、ご覧になった方も多いのではないでしょうか。
ご主人の松本秀樹氏は、一切の妥協なく、最高の鮮魚を買い求めます。「ライバルは銀座の一流鮨店」と公言し、"築地市場で最もいい魚を仕入れる鮮魚商"として一目置かれているそう。自らの目利きで魚を厳選し、実際に調理して食べることで、その魚の最もおいしい調理法を知る。そこまで松本氏を動かすものは何なのでしょうか?
『日本一の魚屋「根津松本」に選ばれたこの世でいちばん旨い魚』の出版記念発表会・試食会にお伺いしました。
この本を執筆したのは、マンガ原作者・著述家にして"最も鮨に精通した書き手"といわれる早川光氏(写真左)。早川氏が聞き手となり、松本氏から話を聞き出していきます。さぞ気難しいのでは...という先入観を払拭する気さくな方で、分かりやすく説明してくださいました。
北海道出身の松本氏の実家は鮮魚店でしたが、当時はほぼ携わらなかったそう。後に、魚屋の面白さに気付き、東京の鮮魚店に就職。某百貨店の鮮魚店の店長を務め、根津に店を構えました。
「良い魚は一番に鮨屋・高級料理店に行くという市場の流れを変えたかった。魚屋は二の次だったんです」
負けず嫌いな性格が黙っているはずもなく、築地に足繁く通い、仲卸業者と粘り強く交渉し、次第に良い魚を買えるように。時には、築地市場にさえ出回らない希少な魚も手に入るようになったといいます。
『根津松本』では、初めから高級鮮魚しか置いていません。もちろん、最初は思うようにはいかず、我慢の時期が続きました。「根津で、一切れ1000円のマグロを買いますか?」と。
しかし、徐々にその評判が広がり顧客が増えてくると、より良い魚を仕入れられるようになったそう。ただ、「良い魚」を仕入れて売るだけではありません。丁寧に磨いて、皮を引いて、小骨を抜く。「良い魚には、きちんと庖丁を入れないと失礼でしょう」
松本氏は何度となく「魚に対する責任」という言葉を口にしました。魚に対しての敬意が、丁寧な仕事を生み、評判を呼び、ここまできたのでしょう。「おいしい魚をもっと知ってほしい、食べて欲しい」というシンプルで真っ直ぐな思いです。
この日は、松本氏自らも腕を振るった3品をいただきました。
■千葉県竹岡の「ヒゲダラ」のフライ
これが鱈?と思うほど、身が跳ね返ってくるほどの弾力。しっとりとジューシーな旨味は初めての味わい。
■北海道藻琴湖の「シジミ」汁
通常の5倍はあろうかという立派な大きさのシジミ。濃厚な旨味がこれでもかと溢れてきます
■壱岐の赤身・中落ち、紀州の中トロの「づけ丼」
艶やかな見た目と、しっかりした食感。味の違いは、鼻腔に広がる香りでも十分に感じられます。
漁場の現状や、熟成魚についての考えなどのお話も含め、目からウロコな体験でした。一般にはあまり知られていない漁場にも、上質な魚介があり、数が少ないので市場に出回らないものもあります。そうしたものまで探して、見て、食べてみる松本氏の経験値を私たちも分けてもらえるのが、今回の著作です。
四季ごとに旬を迎える魚介を紹介。美しい写真と、わかりやすい解説、そしてどのように食べるのが一番おいしいのかが書かれています。魚に詳しくない人でも、すっと入ってくる内容。思わず、財布を片手に根津に向かいたくなります。
日本の食文化に欠かせない「魚」。残念ながら、その消費量は減少傾向にあります。値が張っても、本当においしいものを食べることで、その魅力を再認識することができます。自分へのご褒美に、銀座の鮨店ではなく、根津の魚屋で買ってきたマグロを料理する...、素敵ですよね。
みなさんもぜひ、書店で手に取ってみて、根津に足を運んでみてください。
『日本一の魚屋「根津松本」に選ばれたこの世でいちばん旨い魚』出版社:ぴあ販売価格:1500円(税別)http://piabook.com/shop/goods/goods.aspx?goods=9784835628172
『根津松本』文京区根津1-26-503-5913-7353http://www.nezu-matsumoto.com/
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