ココからあなたの
都道府県を選択!
全国
猛者
自販機
家族
グルメ
あの時はありがとう
旅先いい話

意外な区が上位に!東京都「図書館」充実度ランキング

Jタウンネット編集部

Jタウンネット編集部

2015.03.09 17:15
0

東京都内には市町村以外の区立図書館が224施設もある。横浜が18、大阪が24、名古屋が21だから、他の大都市とは一桁違う。
蔵書数も段違いだ。図書館は区ごとに運営されている=ダブりがあるとはいえ、23区の合計は2448万冊に達する。政令指定都市で最大の蔵書数を誇る横浜は405万9000冊だ。

広島市や福岡市よりも図書館の本が多い杉並区

そんな東京の図書館で最も充実している区はどこだかご存じだろうか。文教のイメージが強い文京区を挙げる人もいるだろうが、蔵書数で一番多いのは人口54万1000人の杉並区だ。同区内にある13館の全館蔵書冊数は約238万。これは広島市や福岡市、京都市を上回る。

以下、世田谷区が197万冊、大田区が175万冊と続き、少々やんちゃなイメージの強い足立区が171万冊で4位にランクインしている。

23区の中でも、隅田川東岸の5区は近年図書館施設の充実が目立つ。
下の表は、「日本の図書館2013」「平成25年度東京都公立図書館調査」をもとに蔵書数や貸出総数等をまとめたもの。全館蔵書冊数の多い順に並べている。うち青く塗ってある足立、江東、江戸川、葛飾、墨田の5区が隅田川東岸に位置する。

town20150306tokyo_library01.jpg

この中では墨田区がやや見劣りするが、「東駒形コミュニティ会館」(約8万8000冊)、「梅若橋コミュニティ会館」(約9万冊)、「横川コミュニティ会館」(約8万冊)はカウントされておらず、実際はもっと多いと見られる。また2013年4月1日に事実上の中央館である「ひきふね図書館」がオープン。ここ2年のあいだにサービスを拡充させている可能性がある。

全館蔵書冊数10位の葛飾区は、JR金町駅から徒歩2分のところに中央図書館を2009年にオープン。開館時間は9~22時、休館日は月1日で、2014~2015年の年末年始は1日も休まなかった。

江戸川区は大阪市よりも図書館の資料を購入する!?

上の表には載っていないが、自治体の支出する資料費で目立つのは江戸川区だ。「図書館年鑑2014」に掲載されている資料費決済額3億2517万円は、人口30万人以上の市区の中で1位だった。
この年はたまたま支出が多かったのか、あるいは他の自治体と資料費の範囲が異なるため、このような結果になったのかもしれない。それでも大阪市の2億6220万円、横浜市の2億4138万円を上回る。
ちなみに同統計で江東区は1億6583万円、足立区は1億4237万円、葛飾区は1億1644万円。5区とも人口30万人以上の市区のベスト20にランクインしている。

足立区は中央館がでかい

中央館の規模が大きいのも下町の特徴だ。東京23区で最も延べ床面積が広いのは江戸川区の7500平方メートル。次いで大きいのは足立区の6537平方メートルで、以下、北区が6165平方メートル、葛飾区が5078平方メートル、江東区が4935平方メートルとなっている。

蔵書冊数の多さでは、足立区立中央(75万7000冊)が江戸川区立中央(40万2000冊)を上回る。区内の各館に本を分散させるか、できるだけ中央館に集めるかという考え方の違いでこうなったのだろう。どちらがいい悪いではないけれど、館内を歩いていて思わぬ発見=本に遭遇する確率は、冊数が多いところほど高い。

足立区立中央図書館(Saoyagi2さん撮影、Wikimedia Commonsより)

足立区立中央図書館(Saoyagi2さん撮影、Wikimedia Commonsより)

図書館の話から脱線するが、足立区は成績上位で学習意欲も高いが、世帯年収の低い中学3年生を対象に、進学塾の授業を無料で受けられる「足立はばたき塾」を実施している。科目は英語と数学で、毎週土曜と夏・冬休み期間中のみの開講だが、日比谷や戸山といった名門校の合格者も出している。

読書好き=学力向上心があるとは必ずしも言えないが、足立区はできるだけ多くの区民――とくに子供に学習の機会を与えようと努力しているのは確かだ。
地元出身の有名人といえば、北野武さん(ビートたけしさん)や、その兄で今も足立区に暮らす淑徳大学教授・北野大さんを思い浮かべる人も多いだろう。

全国の政令指定都市の図書館事情はどうなっている

全国に20市ある政令指定都市の図書館はどのように運営されているのか。「日本の図書館2013」をまとめたもの。
蔵書数では政令指定都市の中で一番多い横浜市だが、人口1000人当りでは最も少ない。

town20150306tokyo_library02.jpg

さいたま市と静岡市は、人口千人当りの蔵書冊数で東京23区の平均を上回っている。浜松市もほぼ一緒と見ていい。3市は平成の大合併を経験しており、そのせいで蔵書数が膨れ上がったとも考えられる。

神戸市や川崎市、京都市は、貸出総数の割に蔵書冊数が少ない。いずれも学生の多い都市で、市民のニーズも高いと思われるが――。

PAGETOP