批判殺到で中止になった鳥取市の「公務員婚活」、いったい何が悪いのか
自治体の取り組み自体は当然必要
「俺たちの税金を使って、公務員サマは身内を結婚させようというのか!」――この件にお怒りの人たちの意見というのは、だいたいこういうところだろう。だがこの話、そんなに悪いことなのだろうか(もちろん、「税金泥棒」と言われないためにはもっとうまいやり方があったかもしれないが)。
少子高齢化に地方が苦しむ中、現場で働く公務員たちは、そんな町を支える中核的存在であり、そして貴重な住民だ。彼らの結婚率をなんとか上げようと自治体が取り組むこと自体は、十分合理的な話だ。事実、ネット上ではそうした冷静な声もある。
鳥取市の婚活イベント。今までの何度か実施してきて、女性が定員に達しなかった。男性を公務員限定にしたら定員以上の応募があった。これが事実。公務員×公務員なら問題だろうが、公務員なら定住してくれるし、少子化対策には利にかなってるって思うけどねぇ
— 段ボールの中の猫☆3/22横アリ (@megami_san) 2015, 3月 5
イベントと取るか高未婚率による少子化問題解消を視野に入れた政策と取るかの違いでしょ。悪意を込めりゃ何やっても悪く言えるってものですよ。 <「公務員限定」婚活中止、鳥取市 批判相次ぎ> http://t.co/7y48VhRidS #niconews
— K島 (@ksima_k) 2015, 3月 6
たとえば山形県は「県庁花咲か応援隊」を組織して独身職員をフォローしようとしている(参照:同僚が結婚のサポーター! 山形が始める「県庁花咲か応援隊」の正体に迫る)。
Jタウンネット編集部の電話取材に応じた山形県の担当者によると、県庁職員の独身者割合は県全体の生涯未婚率を上回るという。
安定性抜群で、財政破たんでもしない限りそこそこの給与が保障されている公務員。さぞモテモテかと思われがちだが、現実はそうイージーではない。
また民間に目を転じれば、企業などが「プライベートの充実は仕事にもプラス」との観点から、社員の婚活促進に取り組む動きは少なくない。こうした動きは、少子化社会に会って「企業による社会貢献の一環」とさえ賞賛されている。
まず隗より始めよ、とも言う。自治体なら、なおのことではないだろうか。