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まるで本場のパブ! 秋葉原で地ビールが楽しめる「常陸野ブルーイング・ラボ」がかなりおススメ

Jタウンネット編集部

Jタウンネット編集部

2015.02.22 11:00
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日本では1994年の酒税法改正がきっかけで、全国各地に建設され、地域色豊かな地ビール(クラフトビール)が相次いで登場した。
イギリスやドイツ、アメリカといったビール先進国を手本に業者たちはその技術を高め、海外の著名なコンテストで金賞を勝ち取る商品も現れている。

茨城県那珂市で酒づくり190年以上の伝統を有する木内酒造。同社の地ビールブランドである「常陸野ネストビール」は、日本のクラフトビールとしては世界で最も売れている。ニューヨークのビール通の間ではよく知られた存在だという。

そんな木内酒造が2015年1月27日、東京都千代田区の商業施設マーチエキュート神田万世橋に、ちょっと変わったバーをオープンした。
常陸野ブルーイング・ラボ」と名付けられた施設は、醸造所直送のクラフトビールを提供するだけでなく、ビールづくりを学べる設備も備えている。

常陸野ブルーイング・ラボの入口(編集部撮影)
常陸野ブルーイング・ラボの入口(編集部撮影)

開店1カ月足らずなのに超人気

ラボがあるのは、旧万世橋駅(1912年開業)の跡地に2013年9月にオープンしたマーチエキュート神田万世橋。最寄り駅はJR秋葉原駅で、横浜赤レンガ倉庫(1913年完成)を思わせる外観は、紳士淑女の隠れ家といった表現が似合う。

2006年までは鉄道博物館として利用された(編集部撮影)
2006年までは鉄道博物館として利用された(編集部撮影)

施設は中央線高架橋の一部を構成している。ひっきりなしに中央線快速電車が通り過ぎているはずだが、BGMを流していることもあって走行音はほとんど気にならない。
12坪の店内は決して広くないけれど、アーチ状の天井と間接照明を駆使した調光の効果で奥行きが広く感じられる。

どうしてこの場所にラボを構えたのか、同酒造の担当者が理由を明かしてくれた。

「万世橋は日本の西洋文化の発祥地といわれています。古きと新しきの時代が交差するこの場所は、レンガ造りの趣深い建物と木内酒造の雰囲気の親和性も高く、新しいビールカルチャーを発信していくにあたり、この上ない場所であると考えました」
店の入口からみた店内の様子(Photo by Sadamu  Saito)
店の入口からみた店内の様子(Photo by Sadamu Saito)

ラボのセールスポイントは2つある。
1つ目は茨城の醸造所から直送されるフレッシュなビールが飲めること。常陸野ネストビールの名を世に知らしめたホワイトエールをはじめ、計10種類の中から選べる。

2つ目は店内に設置された麦汁仕込み釜を使って、客がオリジナルビールを研究できることだ。オープンしてから約半月で複数組が麦汁作りを体験した(事前予約制)。

「気軽においしく一杯も、とことんビールを追求することも、どちらも可能な店です」(担当者)
麦汁仕込み釜(編集部撮影)
麦汁仕込み釜(編集部撮影)

ビールの価格は全て680円(税込)。ソフトドリンクも7種類用意されているので、連れの人がアルコールを飲めなくても大丈夫だ。なお、仕込み水(スパークリング)は無料で飲むことができる。

せっかくなので筆者もビールを注文することにした。目の前でグラスを洗浄してからビールを注いでくれる。

グラスを洗浄中(編集部撮影)
グラスを洗浄中(編集部撮影)
スタッフがビールを注いでいるところ(編集部撮影)
スタッフがビールを注いでいるところ(編集部撮影)

ビール以外のメニューも充実

単品メニューは大きく分けて2タイプある。
お酒のカップに入った「つまみ」は、前菜が10種類、サラダが4種類、スープが3種類、温かい料理が9種類、デザートが2種類それぞれ用意されている。

茨城でとれた、選りすぐりの農海産物を使用(Photo by Sadamu  Saito)
茨城でとれた、選りすぐりの農海産物を使用(Photo by Sadamu Saito)

つまみでは物足りない人にはサンドイッチがお勧め。茨城産のポークやローストビーフ、鯖が味わえる。海外の厨房を渡り歩き、マンダリン・オリエンタルニューヨーク「アジアート」の料理長を務めたシェフがプロデュースしている。

11時から15時まではランチメニュー、15時から17時まではスイーツセットまたはビールセットもオーダーできる。

座席数は、テーブルが10席とカウンターが15席用意されている。陽気のいい日は、神田川を眺めながらビールを飲むのもいいだろう。
神田川を挟んだ向こう側は、安売り家電店やアニメ関連ショップが集積する。結界が張られているのではないかと思うほどの異空間だ。

店の雰囲気はもちろんだが、肝心のビールの味も格別だ(編集部撮影)
店の雰囲気はもちろんだが、肝心のビールの味も格別だ(編集部撮影)

筆者がオーダーしたのはホワイトエールとだいだいエールの2種類。瑞々しいレモンのような色をしたホワイトエールは、飲みやすさと深みが両立した、バランスの良いビールだ。ビールは苦手という女性でも比較的いけるのではないか。実際、取材した日は女性客の方が若干多かった。

ホワイトエール(編集部撮影)
ホワイトエール(編集部撮影)

オレンジ色をした「だいだいエール」は、茨城産の「福来みかん」を原料に用いている。ホップの苦みは控えめでキレがよい。それでいて柑橘系ならではの深みがある。これぞクラフトビール!という印象だ。

だいだいエール(編集部撮影)
だいだいエール(編集部撮影)

日本文化の発信地としての期待も高まる

この取材とは別に、休日午後にもラボを訪れたことがあるが、そのときは客の肩がぶつかり合うほど混んでいて、店内では外国人たちがビールをあおっていた。
筆者は数年前に英国旅行の際に立ち寄った、ロンドンのパブを思い出した。仕事帰りのロンドンっ子がトークに花を咲かせていたが、雰囲気が似ているのは偶然ではないだろう。

「店のコンセプトはビールを"考え""学び""愉しむ"です。つくり手と客の垣根なく、自由な発想で新しいビールを醸成していけるような、そんな賑わいの場所になるよう願っています」(ラボの責任者)

マーチエキュート神田万世橋には、山形県産の食材を使ったカフェや、駿河湾沖で獲れた魚介類を使った創作海鮮バルの店なども入っている。またイベントスペースでは「北欧マーケット」と題し、日本になじみつつある北欧雑貨の販売を行っている。時間に余裕のある人はこちらにも立ち寄ってみることをお勧めする。

マーチエキュート神田万世橋の公式サイトトップページ
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