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市から町・村への「降格」って可能なの?

Jタウンネット編集部

Jタウンネット編集部

2015.02.06 17:36
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「東京一極集中」が止まらない。
総務省が2015年2月6日に発表した「人口移動報告2014年結果」によると、東京、埼玉、神奈川、千葉、愛知、福岡、宮城の7都県が転入超過となった。

転入超過トップは東京都の7万3280人で、転出超過トップは北海道の8942人。「人口の少ない市ランキング」で北海道が上位4自治体を独占したが、それを象徴するようなデータだ。

転入超過・転出超過上位20市(Jタウンネット編集部作成)
転入超過・転出超過上位20市(Jタウンネット編集部作成)

政令指定都市や中核市でも転出超過が...

転入/転出超過の多い市町村は下記のとおり。東京23区が1ケタ違う増え方をしている一方で、北九州市や静岡市のような政令指定都市や、東京や大阪の通勤圏である東大阪・尼崎・枚方・堺・横須賀でも転出超過が起きている。コンパクトシティ構想でクローズアップされる青森も含まれている。縮小する日本の人口の、パイの奪い合いはさらに激しくなるのだろう。

「日本一小さい市」の歌志内市役所(sammy64さん撮影、Wikimedia Commonsより)
「日本一小さい市」の歌志内市役所(sammy64さん撮影、Wikimedia Commonsより)

大都市の人口流出も問題だが、小規模な都市の人口流出はさらに深刻だ。なにしろ、町や村の規模を下回るようなところも出てきている。

北海道歌志内市に至っては人口が4000人を下回ってしまった。人口密度は約70人で、人口5万人超の広島県府中町の約70分の1しかない。
人口が減るのはともかくとして、「市」と呼ぶにふさわしい市街地は残っているのだろうか。市の体裁をなしていないなら、いっそ町や村に「降格」(別に市の方が「格上」ではないが、便宜上こう表現する)した方がいいのではないか――。そんな意見もネットに上がる。

市から町または村になったケースは例がない

かつて10万人超の人口を誇った北海道夕張市が1万人割れを起こしたとき、町への移行を検討したことがあった。

2013年10月15日のどうしんウェブが詳しく報じているが、市から町・村になるのに特別の条件はなく、市議会の議決を経て都道府県知事に申請すればできる。しかし実際に実行した市は過去にない。
夕張市が調査・検討したところ、町村になると生活保護などの業務負担が道に移管されるなどのメリットがある一方で、その分地方交付税が減らされたり、表記変更に伴う負担が発生したりするデメリットがあることが分かった。さらに市民のモチベーションに与える悪影響も懸念された。結局、本格的な検討に入る前に立ち消えになってしまったという。

普通の市が町・村になることは可能でも、プラスマイナスを秤にかけると、実利上は大差ない。だったら市のままでいい――夕張市では、結局そう判断したようだ。

ところで歌志内市の公式サイトを開くと、人口最小市という事実を堂々と明示している。
進んでこのような規模になったわけではないだろうが、道産子のたくましさというかガッツはひしひしと伝わってきて、「頑張れ!」と応援したくなる。

歌志内市公式サイトトップページの左下部分
歌志内市公式サイトトップページの左下部分
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