「2026年札幌五輪、やるべき?」アンケートの結果は接戦、地元出身者もクール
2015.02.06 07:00
過去2回冬季オリンピックの会場国となった日本。1972年の札幌、1998年の長野を観戦した人の胸の内には、当時の感動が今でも残っているに違いない。
賛成派の多かった県を「赤」、反対派の多かった県を「青」で示した。「白」の地域は、賛成と反対の差が小さかったか、「どちらでもよい」が最多だった都道県だ。
北海道と東北は地域的なつながりが比較的強いけれども、支持はそれほど高くない。
とくに福島第一原子力発電所事故の問題に直面する福島で、賛成に投票した人はいなかった。栃木や群馬、そして大阪も反対派が目立った。
長野に賛成派が多かったのは1998年の記憶のせい?
賛成派が多数を占めた県の1つが長野だ。
1998年大会に合わせてインフラが整備され、街並みは一新した。全国各地で外国人観光客の誘致が盛んだが、NAGANOブランドを活かした活動を展開している。オリンピック開催地の重みを知っているから、アンケートでも賛成に回った人が多かったのだろうか。
今度は北海道の結果を見てみよう。驚いたことに賛成と反対が同数だった。市のアンケート結果によると賛成派が多数を占めたはずだが...。
この結果について札幌市生まれの男性に話を聞いた。彼は現在東京で働いているが、年に何度も帰省する、郷土愛の強い人物だ。
「2018年の平昌冬季オリンピックについて、共同開催地に長野が浮上したという報道を覚えている? あれでモチベーションの下がった札幌市民は確実にいると思う。『万が一日本で共催することになれば、札幌が選出される芽は遠のく』って」
共同開催案が実現する可能性は今のところ低そうだが――。一方で彼は「本格的な招致活動に踏み込むかは、今年4月12日に投開票される札幌市長選次第だろう」と分析する。
「招致を表明した上田文雄現市長は、次の選挙に不出馬しない意向を明らかにしている。○○さんで決まりってもっぱらの噂だけど、その人物は公共工事の拡大を政策に掲げているからね......」
「五輪開催にイエスかノーかと尋ねられれば、感覚的にはイエスという市民が多いと思う。もっとも、『そうはいっても、まだ先の話でしょ?』くらいに考えているじゃないかな。それよりも目の前の生活でみんな頭がいっぱい。道内の景気はずっと悪いままだしね」