消えたはずの「2000円札」、半数近くが「よく見る」と答えた県があった!
米国の20ドルや英国の20ポンド、20・200ユーロのように、最初の数字が「2」の紙幣は海外で広く使われている。ちょっと古いデータになるが、1997年末の20ポンド紙幣の銀行券流通高シェアは英国内で36.1%もあった。
当時の小渕恵三首相の発案で生まれた「2000円札」も同様の期待をもって登場したはずなのだが、最近めっきり姿を見なくなった。2000円札はいったいどこに消えたのだろう? Jタウン研究所ではウェブアンケートを使ってその行方を探してみることにした。
ほとんどのJタウンネットの読者は「やっぱり見ないよね~」と思ったことだろう。
日本銀行那覇支店のウェブサイトによると、2014年12月末の全国の銀行券の割合は、2000円札は0.7%しかない。そのほかの銀行券のシェアをみると、1万円札が63.7%で、1000円札が30.7%、5000円札が4.9%だった。
2000円札の流通が唯一活発な沖縄
ところが、「よく見る」が全国で唯一投票率トップを占める県があった。そう、2000円札の表面の図柄に県のシンボル「守礼門」が描かれている沖縄だ。「よく見る」と「比較的最近見た」の合計得票率は65.0%に達する。2000円札はそろって、沖縄に移住してしまったらしい。
一方で、「何年も見ていない」が25.0%もいる。そういえば沖縄は「楽天Edy天国」と呼ばれるほどEdyが普及している。理由はEdyとANAが提携していてマイレージが貯まるからだが、現金を使わずに日常の支払いを済ます人が沖縄に増えているのだろうか(参考:コンビニがない八丈島で、Edyだけは何故かあちこちで使える理由)。
それでも2000円普及に努める沖縄県
かつて沖縄県内には「二千円札流通促進委員会」というボランティア団体があった。(1)県民として、(2)2000円札を、(3)3枚ずつ持ちましょう!という「1・2・3運動」を展開していたのだが、2011年3月31日に解散してしまった。
活動の精神は県民に定着したようで、支払いに2000円札を使うケースは右肩上がりに増えている。県内のATMの約9割が2000円札の入出金に対応していることも大きい。
古くなったお札は日本銀行が回収して廃棄する。1万円札だと4~5年、1000円札や5000円札だと1~2年程度だ。2000円札も流通している限りは新しいお札と交換する必要があるが、2003年に製造されたのを最後に発行はストップしたまま。実は日本銀行の金庫には大量のストックがあり、当面はそれで足りるからと見られる。
2000円札流通促進の輪が全国に広がり、製造が再開される日はくるのだろうか。