京都の珍地名「蛸薬師」の由来は親孝行とテンタクル・スペクタクル
[ちちんぷいぷい - 毎日放送] 2015年1月9日放送で「蛸薬師町」について取り上げていました。
京都の地名に「蛸薬師町」という町があります。
読み方は「たこやくしちょう」。
御池通の北側で室町通を挟んだところにあり、数十軒のお店やお宅だけという小さな町です。
蛸薬師町の"蛸薬師"とはどんな意味なのでしょう?
実はそこには心温まる親孝行のストーリーがあったのです。
僧侶の親孝行が生んだ奇跡の物語が
蛸薬師町という場所には昔、「永福寺」という立派なお寺がありました。
そのお寺の僧侶・善光さんが、病気のお母さんの「最後に蛸が食べたい」という頼みで市場へ行って蛸を買ってきたそうです。
ですがお坊さんが生物である蛸を食べるのはご法度。
近所の人から「今買ってきたのは蛸ではないか?僧侶の身でありながら蛸を食べるつもりだろう?」とはやし立てられてしまいました。
仕方なく「これは母の為です」といって蛸の入っている箱を開けると、日頃信心していた薬師如来のおかげで、蛸が8本の教典にすり替わりました。
さらにそこから出た光を浴びて母親はすっかり元気になり、教典は再び蛸に戻り、近くの池に帰っていったという逸話が残っています。
永福寺自体は、豊臣秀吉が町中を整備したときに移動し、寺町通に移っています。
現在では、蛸の吸盤からデキモノに良いとされ、癌封じの寺として全国に知られています。
本堂前には"なで蛸"という蛸の置物があり、左手で悪い所を撫でると病気が良くなると言われていますよ。(ライター:ツカダ)