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「普通の人が、普通のこととして田舎暮らしを楽しむ時代が来た」 ふるさと回帰支援センター・高橋公代表理事に聞く(前編)

Jタウンネット編集部

Jタウンネット編集部

2014.12.30 17:00
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JR有楽町駅前にある東京交通会館は、東は北海道から西は福岡まで全国のアンテナショップが入居し、ご当地フードを求める大勢の人でにぎわう。

そんな交通会館の5・6階には、地方移住を希望する都会人をサポートするNPO法人「ふるさと回帰支援センター」がある。2002年の設立当初、1カ月あたりの移住相談件数は10~20人くらいだったが、今ではコンスタントに1000人前後が訪れる。移住希望者だけでなく全国の地方自治体も頼りにする存在になっている。

Jタウンネット編集部は2014年12月、同センターを訪れ、ふるさと回帰運動の先頭に立つ高橋公代表理事へのインタビューを行った。高橋代表理事は若者や子育て世代を中心に「都会よりも田舎に希望があると感じる人が増えている」と語る。

ふるさと回帰支援センター代表理事・高橋公さん(編集部撮影)
ふるさと回帰支援センター代表理事・高橋公さん(編集部撮影)

田舎を選ぶ若者は人間的な魅力がある

――地方移住といえばシニア世代のイメージが強かったですが、相談者の年齢は様変わりしているそうですね。
高橋 従来はどちらかといえば50・60代が多く、特に2008年頃までは60・70代が多かったですね。ところが昨年は40代が半分以上以下が60%以上。東日本大震災発生以降、とりわけ子育て世代が増えています。
またリーマンショックで若者がぐっと増えました。あの頃は57~58%くらいの就職率で、あぶれた人たち、自分の希望する職に付けなかった人たちが地方に向かいました。意外にも彼らは高学歴が多く、東京大学や京都大学はざらにいます。有機無農薬の野菜を作りながら地方で頑張っているなど、地域に新たな発想を持ち込んでいる。そういう傾向があります。
――国立大学トップの東大・京大ですか。
高橋 田舎暮らし希望者は、金儲けではなく、別の価値観で生きる人が多いです。私から見ると非常に好ましい傾向で、人間的な魅力のある人が多い。
田舎に戻るというとマイナスなイメージがありましたが、「ちょっと東京でうまくいかなくて...」というのがなくなりました。普通の人が普通のこととして田舎暮らしを楽しむ時代になっている。

ふるさと回帰支援センターが入居する東京交通会館はJR有楽町駅前。
ふるさと回帰支援センターが入居する東京交通会館はJR有楽町駅前。

――都会から地方に移り住んだ人はうまくやっているのでしょうか。
高橋 地域おこし協力隊などの形で地方に入った人たちって、結構カルチャーショックを受けるみたいですよ。「地域のおじさん・おばさんたちがえらく面倒見がいい」と。たくさんできた大根なんかを玄関に置いてあったり、ちょっと手伝うとお返しをもらったり。稲刈りを手伝ったときは、「米ができたよ」って20キロ持ってきてくれる。非常に居心地がいいと。
東京にいると隣の人は誰だか分からない。ところが地方に行ってみるとコミュニティがちゃんとある。衝撃を受けた人がハマるケースは多いようです。

役立つ資格は介護や保育士。起業するのもあり

――地方移住で役立つ資格やスキルはありますか。
高橋 介護は簡単に資格がとれますし、地方は高齢化しているので仕事としてのニーズも高い。女性なら保育士のように地域と生活に密着した資格も大事でしょう。

センターには常時専門のスタッフが在籍している。
センターには常時専門のスタッフが在籍している。

――田舎暮らしですと就農や起業に憧れる人も多いです。
高橋 2008年、私たちは北海道大学と組んで「ふるさと起業塾」を立ち上げ、起業家の育成をやってきました。ビジネスコンペをやって、認定された対象者には起業資金を提供しますしたり、してきました。
一例として、熊本県八代市に塩トマトという有名なブランドがあります。これでトマトジュースを作るという起業プランを出してもらって、支援しました。
全国に1700以上の市町村がありますが、5名ずつくらい起業家に金を出してやったら面白いと思います。研修をしっかりやって。そうすると地域が変わるのではないでしょうか。
1本50円で出していた大根を漬物や麹漬に加工するとかして東京で売るとか。そういうことをすると付加価値が生まれ可能性が出てくると思います。

ふるさと回帰支援センターの公式サイト。移住体験談も載っている。
ふるさと回帰支援センターの公式サイト。移住体験談も載っている。
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このインタビューの続きはこちら
※12月31日17時に公開いたします。
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