都道府県別「好きなカップ焼きそば」調査結果! ペヤングとUFOの境界線は?
みんな大好き「カップ焼きそば」。だが、その好みは地域差が激しく、「定番」の銘柄は都道府県ごとにかなり異なると言われる。
その最新事情を探るべく、Jタウン研究所では2014年12月12日~16日、都道府県別に「カップ焼きそばといえば何?」というアンケート調査を行った(総投票数802票)。
北海道は「焼きそば弁当」、東北は「焼そばバゴォーン」
全体の結果がこちら。トップは「日清焼きそばU.F.O.」で27.8%。僅差の23.7%で、「ペヤング ソース焼きそば」が続く。以下、「やきそば弁当」(14.1%)、「一平ちゃん 夜店の焼きそば」(12.0%)、「焼そばバゴォーン」(6.5%)、「スーパーカップ 大盛りいか焼そば」(5.1%)との結果となった。
さらに地域別に最も多かった回答をまとめたのが、この地図だ。
短期間の調査だったにも関わらず、編集部の予想以上にはっきりとした地域差が出た。
地域別にみると、北海道は「やきそば弁当」。北部を中心とした東北では「焼そばバゴォーン」の天下だ。いずれも、他地方の人はほとんど聞いたことのない製品だろう。
揺るぎない強さを見せつけたのは「ペヤング ソース焼きそば」。東北の太平洋側から関東、そして中部地方の一部までに、強力な「ペヤング帝国」を築き上げている。
一方、愛知以西の西日本を制覇しているのが「日清焼きそばU.F.O.」だ。その領域はペヤング以上に広大で、関西・中四国・九州のほぼ全県を抑える。
北海道民の「やきそば弁当」支持率は約8割!
製品別に結果を見て行こう。
東洋水産の「やきそば弁当」は、北海道で圧倒的な支持を集めた。その得票率はなんと77.6%(49票中)。10票以上の投票があった都道府県で、これほど人気を独占したところはほかにない。もともと同社が北海道内に強力な販売網を持っており、早々と市場の独占に成功したためだという。
ちなみにやきそば弁当には中華スープの素が付いており、これを湯切り後のお湯に溶かして飲むのが一般的だ。ここから、「北海道民はカップ焼きそばのお湯を(そのまま)飲む」という都市伝説が生まれたが、Jタウンネットの過去調査では、「そのまま飲む」という人は0.8%しかいなかった。勘違いすると道民に怒られるので気をつけよう。
やはり東洋水産の「焼そばバゴォーン」。1979年に発売され、元々は全国展開していたのだが、売れ行きが振るわなかった地域で順次販売終了した結果、東北・信越ローカルの製品になったという。
今回の調査では、信越ではそれほどの強さを発揮しなかったものの、青森・秋田・岩手の3県で単独首位を獲得。比較的北部、また日本海側の県で強い傾向が見られた。
関東ペヤング帝国VS西日本U.F.O.同盟
「ペヤング」(まるか食品)はどうか。本拠地を置く群馬県で63.6%(11票中)という北海道の「やきそば弁当」に匹敵するほどの得票率を得たのを初め、北は宮城、また東京を含む関東(茨城を除く)を完全に制覇、長野・静岡といった地域までその版図を広げる。東日本最大勢力と称して過言ではない。
一方、西の日清食品「U.F.O.」は北陸にまでその手を伸ばし、混戦模様の岐阜を経て、東西文化の交差点となる愛知では、ペヤングを完全に抑え込んだ。
さらに愛知以西の西日本では、徳島を除き、全府県で首位を守っている(同率首位も含む)。
以上、この結果からペヤング・U.F.O.の境界線を探ると、南は静岡・愛知の県境付近から、岐阜を通過し、新潟・富山県境付近を走るラインが、両雄の「国境線」ではないかと分析できる。
隠れた強豪「一平ちゃん」
ところで、忘れてはいけないのが明星食品の「一平ちゃん 夜店の焼きそば」。今回の調査では全体で4位に食い込んでいる。しかしながら、単独首位は徳島のわずかに1県だ。
一方で東北から沖縄まで幅広い地域で手堅い票が入っている。地域性が強いカップ焼きそば業界にあって、土地を問わず一定の支持を集める「一平ちゃん」は、ある意味で「異端児」ともいえるだろう。