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東京五輪で活気づく小江戸・川越に、2015年大異変が!?

Jタウンネット編集部

Jタウンネット編集部

2014.12.15 19:31
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「世に小京都は数あれど、小江戸は川越ばかりなり」とうたわれた埼玉県川越市は、商店街の元気な都市だ。旧市街地にある「一番街商店街」は蔵造りのレトロな建物が連なり、年間約630万人の観光客を惹きつける核となっている。
オシャレ雑貨・ファッションの店が集まる商店街はJR・東武東上線川越駅から北に広がる「クレアモール」。県内で最も人通りが多く、ファストファッションブランド「ZARA」「GAP」の路面店だってある。そのにぎわいは大宮や浦和、川口、所沢のメインストリートをしのぐほど。

駅前の改良も同時に進められていて、駅改札と路線バス・タクシー乗降口を結ぶ歩行者用デッキは今年3月に完成した。

強力ライバル「ららぽーと富士見」が来春オープン

2つ目は、川越駅から南東に約9キロ離れた場所に来年4月10日オープンする「ららぽーと富士見」。店舗面積は約8万平方メートルで規模は「ラゾーナ川崎」とほぼ一緒。テナント数は293で、京王/三越伊勢丹/丸広のサテライト百貨店もそれぞれ出店する。
「ピオニウォーク」(東松山市)と「三井アウトレットパーク入間」(入間市)以外、埼玉県西部は店舗面積2万5000平方メートル以上の商業施設がなかった(百貨店を除く)。イオンレイクタウンやコクーンなどが競合する県東部と比べればブルーオーシャンといえる。
この空白地を埋めようとしているのがららぽーと。ショッピングだけでなく、保育所やクリニック、JAの産直施設、公園も併設し、丸一日過ごせる施設を目指す。

ららぽーと富士見の場所(三井不動産の公式サイトより)
ららぽーと富士見の場所(三井不動産の公式サイトより)

市の顔ともいうべき丸広百貨店は大きな駐車場を有しているが、城下町のため道が狭く、周辺の渋滞は慢性化している。マイカーでショッピングに出かけるファミリー層が流れる可能性は高い。

川越は学校の多い町で、高校が16、大学のキャンパスが6もある。電車に頼る彼らにとってららぽーとは遠すぎる。クレアモールは若者向けのストリートとしての色彩を強め、生き残りを図るのではないか。

本川越駅西口改札誕生で県下一の商店街の運命は?

最も影響がでかいのは、西武新宿線本川越駅西口開設だろう。東武東上線川越駅または川越市駅と本川越駅は直結しておらず、乗り換えに約10~12分も歩かなければならない。そこで市は、本川越駅の東上線寄りに改札を新設することで所要時間の短縮を図りたい考えだ。用地買収はすでに終わっていて2015年度末に供用開始予定。
通勤・通学客にとっては嬉しい話だが、クレアモールの通行量に影響が出るのは確実だ。

黄色&緑の線が本川越駅西口開設に伴ってできる新ルート(川越市の資料に編集部が加筆)
黄色&緑の線が本川越駅西口開設に伴ってできる新ルート(川越市の資料に編集部が加筆)

2020年東京オリンピックは「KAWAGOE」の名を全国に広めるか?

埼玉で最初に市に昇格した川越。戦前まで最大の人口を誇っていたが、高度成長期に大宮や浦和(現・さいたま市)、川口に抜かれてしまった。一時は所沢にも抜かされていたが、現在は再逆転して川越の方が上回っている。

埼玉一の観光都市としてのブランドを確立しつつある川越。その名前を全世界にアピールする絶好の機会が2020年にやってくる。そう、東京オリンピックだ。

市中心部から約7.5キロ離れた「霞ヶ関カンツリー倶楽部」は80年以上の歴史を有する名門ゴルフ場だが、競技種目のゴルフが同倶楽部で実施されることが決まった。

市内の商店に嫁いだ女性は「おっとりした人が多い。また地理に恵まれているせいか、商売にガツガツしていない」と川越商人の気質を指摘する。
そんな彼らにとってもオリンピックはチャンスと映るようで、11月12日に市・市議会・商工会議所・観光協会が「2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会川越市支援委員会」を発足させた。

霞ヶ関カンツリー倶楽部の空中写真(国土交通省 国土画像情報を基に、さかおりさんが作成、Wikimedia Commonsより)
霞ヶ関カンツリー倶楽部の空中写真(国土交通省 国土画像情報を基に、さかおりさんが作成、Wikimedia Commonsより)

今後1、2年で川越の人の流れは激変しそうだが、市民を本気にさせる大イベントを追い風に、より魅力ある町に発展させることができるか。それとも新スポットに買い物客を奪われてしまうか。川越の変化に目が離せない。

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