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「ショッピングモールがほしい!」 犬山市の異例ネット署名活動、その背景は?

Jタウンネット編集部

Jタウンネット編集部

2014.12.03 11:00
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ウェブサイト「Change.org」で、少し変わった署名活動が展開されている。愛知県北部の犬山市に、ショッピングモールを誘致しよう、というものだ。
同サイトではほかにも地域に根付いた署名活動が多く展開されているが、どちらかというと「環境保護のため、開発をやめて!」という類のものが多い。開発、しかもショッピングモールのような大規模なものを誘致しようという動きは、やや珍しい。背景にはどういう事情があるのか。

全国に例がない公的要素の強いショッピングモールが?

署名を集める「犬山活性化を願う会」は、地元の地権者らが組織したものだ。その計画案によると、場所は名鉄犬山~羽黒駅間の東側と国道41号に挟まれた農地約34ヘクタール。商業・娯楽施設やコミュニティバスターミナルなどを設け、災害時には避難場所や救援物資の補給所としても機能する。

開発コンセプト(一般社団法人わんだふるのプレスリリースより)
開発コンセプト(一般社団法人わんだふるのプレスリリースより)

地権者の3分の2以上は開発に同意しているが、市街化区域に編入するには市の総合計画と都市計画マスタープランに計画を位置づけなければならない。
推進派によると、現在名乗りを上げている民間事業者は、開発に伴う道路や下水道など本来行政が負うべきインフラ整備費を全額負担するという。その事業者は明らかにされていないが、先の計画案には「イメージ AEON MALL」と記されている。

犬山市中心部から10キロ圏内には大型商業施設が3つある。2005年に開店した「VIA MALL」(愛知県江南市)、2003年開業の「イオンモール扶桑」(同扶桑町)、そして東海最大級の「イオンモール各務原」(岐阜県各務原市)は2007年にオープンした。

計画案には「道の駅」のような地産マーケットプレイスや行政出先機関も盛り込まれている。既存の施設との差別化もあるのだろうが、これほど公的要素の強いショッピングモールは全国に例がない。大金を投資する以上、商売上不利になるような計画を事業者が素直に飲むとは考えにくいが......。

推進派市長の就任で国道沿いの農地がショッピングモールに!?

犬山市は、日本最古の天守閣をもつ国宝犬山城や博物館明治村、日本モンキーパークがあり、人口約7万5000人。歴史的資産を活かした町づくりは一定の成果を上げているが、一方で大型商業施設の進出は抑制されてきた。
そこで地元から上がってきたのが、上記のような広域防災拠点を兼ねたショッピングモールの誘致計画だ。市議会にも請願書が提出されたが、2014年11月の定例会議で検討されたが、田中志典市長(当時)は慎重派で、結局継続審議となった。

ところで、この署名活動が開始されたのは10月15日。そして11月30日、市長選が行われたのだが、この選挙でショッピングモール問題は争点の1つだった。
結果は、田中前市長が3選を目指すも僅差で落選、推進派の山田拓郎氏(41)が初当選した。

地元住民には駅復活の期待も

ショッピングモール建設とは別に、近隣の住民が待望していることがある。名鉄小牧線「五郎丸駅」の復活だ。戦時中の1944年に休止し、1969年に廃止されたが、近くに総合犬山中央病院もあることから、潜在価値は高いと地元住民は主張する。
しかし名鉄に駅を復活させるつもりはなさそうで、どうしてもとなれば犬山市が全額負担するしかない。その建設費は15億から30億円かかるといわれるが、新市長は市議時代から五郎丸駅の復活を強く主張していた。

いずれにせよ、大きく動きそうな犬山市。ショッピングモールの行方は果たして?

広報いぬやま1185号(犬山市公式サイトより)
広報いぬやま1185号(犬山市公式サイトより)