「ショッピングモールがほしい!」 犬山市の異例ネット署名活動、その背景は?
全国に例がない公的要素の強いショッピングモールが?
署名を集める「犬山活性化を願う会」は、地元の地権者らが組織したものだ。その計画案によると、場所は名鉄犬山~羽黒駅間の東側と国道41号に挟まれた農地約34ヘクタール。商業・娯楽施設やコミュニティバスターミナルなどを設け、災害時には避難場所や救援物資の補給所としても機能する。

地権者の3分の2以上は開発に同意しているが、市街化区域に編入するには市の総合計画と都市計画マスタープランに計画を位置づけなければならない。
推進派によると、現在名乗りを上げている民間事業者は、開発に伴う道路や下水道など本来行政が負うべきインフラ整備費を全額負担するという。その事業者は明らかにされていないが、先の計画案には「イメージ AEON MALL」と記されている。
犬山市中心部から10キロ圏内には大型商業施設が3つある。2005年に開店した「VIA MALL」(愛知県江南市)、2003年開業の「イオンモール扶桑」(同扶桑町)、そして東海最大級の「イオンモール各務原」(岐阜県各務原市)は2007年にオープンした。
計画案には「道の駅」のような地産マーケットプレイスや行政出先機関も盛り込まれている。既存の施設との差別化もあるのだろうが、これほど公的要素の強いショッピングモールは全国に例がない。大金を投資する以上、商売上不利になるような計画を事業者が素直に飲むとは考えにくいが......。