福井県民のお土産の定番「羽二重巻」は1度に3つの食感が味わえる
日本3大菓子処と呼ばれる京都・金沢・松江。そのうちの2都市、京都と金沢に挟まれている福井は、海の幸・山の幸に恵まれている豊饒の地だ。様々な郷土料理があり、和菓子だと水ようかんや六方焼き、くずまんじゅうなどが知られている。
餅粉を蒸し、砂糖と水あめを加えて練り上げた「羽二重餅」もまた、福井を代表する銘菓で、シンプルながら上品な味は県外のファンも多い(参照:「福井では知らないものはない」お菓子・羽二重餅を東京で入手! しかし実はルーツは...)。
この伝統ある和菓子をモダンに進化させたのが、1872年創業の老舗笹屋菓舗(越前市)が生み出した「羽二重巻」だ。といっても、こちらもすでに発売40年を超えるロングセラー商品となっているのだが。
東京で開催されたご当地フェアでこの菓子に出会った筆者は、自宅に持ち帰って早速食べてみた。
値段はちょい高め
1ケース4個入りで価格は600円(税別)。高級和菓子といっていい値段だが、全国菓子大博覧会では数々の賞を受賞している。越前市民にとっては羽二重餅とともに「お土産と言えばこれ!」的な存在なのだとか。
1個当たりのサイズは、横10センチくらい。
福井銘菓の羽二重餅と粒餡(つぶあん)をスポンジケーキの生地でくるんでいる。そのためフィルムで包み、さらに紙の袋に入っている。
勢いよくフィルムをはがさないほうがいい。生地がフィルムに付いてしまうかもしれないからだ。
こうして取り出した羽二重巻はオムレットの形をしている。写真だけみるとイングリッシュ・マフィンのように見えなくもない。写真下の羽二重巻からはみ出ている白い物体は餅だ。
貝を開くみたいに中をあけて撮影しようとしたが、全体が崩れてしまいかねないので断念。代わりに包丁で2つに切った。
下の写真はカット後の羽二重巻。中にあずきと餅が入っているのが分かる。粒餡は十勝産小豆、餅は福井県奥越産餅米をそれぞれ使用している。
生地は白ワイン入り
食べる前にアップの写真をパチリ。白ワイン入りの生地なので、手づかみで食べるなら手拭きが必要だ。
筆者が食したのはノーマルなプレーンタイプ。核となっているのは羽二重餅だが、菓子としては別物だ。餅と粒餡がうまく融合し、甘味を抑えつつ上品な味を演出している。
ボリュームはあまりなく、数口で1個食べ終わってしまうが、餅・粒餡・白ワイン入りの生地の3つが同時に味わえる。
大切なお客様をもてなすとき、ここぞという場面で出すのにいいかもしれない。
プレーンタイプのほか生地に抹茶またはココアを使ったタイプもあり、全部で3種類発売されている。