電柱に「迷い犬探してください」→なぜか書類送検された...
[ドデスカ!-名古屋テレビ]2014年9月23日放送で、電柱への張り紙の条例違反を紹介していました。
犬探したかっただけなのに......
大切にかわいがっているペットが行方不明になり、どうしても見つかって欲しいとの思いで張り紙にするという方も多いのではないでしょうか?
実はそのような張り紙を電柱や街灯に貼る行為は、条例違反で処罰される可能性があるとのこと。
先日名古屋市のとある女性は友人の犬を探すため、写真や連絡先を書いた張り紙を作成し、街に貼ったところ、その翌日警察に呼ばれ、なんと条例違反の疑いで、3日間にわたり取り調べを受けたとのこと。
指紋やDNA採取も任意で求められましたが、拒否。結局女性は条例違反の疑いで、書類送検されました。
この女性は「街中で迷い犬のチラシを見たことがあるので、ダメとは思わなかった」とのこと。
名古屋市議会でも 河村市長は一定の理解示す
この件は名古屋市議会でも取り上げられ、名古屋市住宅都市課の墨田昌義局長は「電柱、街路灯などに対し張り紙をする行為は、条例で認められているものを除き違反となっております。」と説明、一方で河村たかし市長は「自分のポスターをようけ貼っといて、他の人のはいかんなんて、よう言えん。私は電柱には貼らないけども、景観だというなら同じですよ」と一定の理解を示しました。
名古屋市観市景観室の石原宏室長によれば「名古屋市屋外広告物条例は、昭和36年に制定されたもので、電柱は数が多く、非常に景観を崩していくことに繋がるので当初から禁止されていました」とのこと。
名古屋市の条例では、広告を貼る行為を禁止していますが、町内の盆踊りや祭りなど「祭礼や慣習上の行事」で、日時が決まっていて地域に密着した情報については例外が認められているそうです。
今回問題となった犬を探す張り紙は例外と指定されていないため、広告と同じ扱いとなり禁止という判断となったとのこと。
迷い犬、猫だけじゃない?
地方行政の専門家である名古屋大学都市情報学部の昇秀樹教授は「市民感情にも大きな配慮をすべき時代にきていると思います。条例そのものを見直すというのも一つの解決策ですし、条例を変えなくとも運用のやり方で事を荒立てることなく処理することも可能であると考えます」とおしゃっていました。
また最近では迷子の犬や猫だけではなく、認知症などで徘徊を繰り返し、行方不明になる高齢者もいるとのこと。
なんとか早く探したいと張り紙に託す人が多いのも事実です。
河村市長はこの件にも触れており「徘徊老人は大変大きなテーマだし、われわれもいつなるかわからないわけで、一定のルールを作ってやれば良いのでは」とおしゃっていました。
このような条例は名古屋市に限ったことではなく、屋外広告物規制法に基づいて、ほぼ全国的に同じような条例があるとのことです。
今後規制緩和はされる可能性があるとしても、現状は禁止で処罰の対象であるということを覚えておくことが大切です。(ライター:神谷祐美)