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決闘罪、逮捕者が多いのはやっぱり××県だった...

Jタウンネット編集部

Jタウンネット編集部

2014.07.24 19:58
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2014年7月24日、「携帯アプリで決闘約束 中学生(当時)13人を福岡地検に送致」という、西日本新聞の報道があった。

それによると、福岡県警福岡中央署は、昨年11月に福岡市内で決闘した中学生13人を、決闘罪で福岡地検に任意送致したと発表。当時中学生だった少年が携帯電話のアプリで決闘を約束し、それぞれ6人ずつ集合して、福岡市中央区の公園で決闘をした。また別の中学生1人が立会人になったとのこと。

決闘罪とは、なんと明治22年に制定された「決闘罪ニ関スル件」のことで、現行の刑法が施行される前の法律だ。維新後20年も経ったとはいえ、士族の中にまだ「果し合い」の風習も残っており、また決闘を賛美する風潮もあったため、明治新政府が定めた法律である。「るろうに剣心」の少し後の時代といえば、納得する人もいるかもしれない。

制定以来100年以上も経過したが、実際にはほとんど適用される機会はなかった。そのため、今回のニュースでも「そんな犯罪あるんだ......」と驚く人が少なくない。 もっとも実際には、暴走族の抗争などでちらほら適用されているようだ。

福岡市大濠公園(yukiさん撮影,flickrより)
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「K-1」まねて決闘

そこでJタウンネット編集部では、1990年代から最近までの決闘罪に関する報道を新聞データベースで調べてみた(「日経テレコン」に登録されている地方紙、および読売新聞が対象)。

1999年6月9日の西日本新聞に、「殴り合いで高1死 決闘容疑で9少年逮捕 警視庁」という記事を発見した。場所は東京である。

2001年10月10日の山陽新聞には、「決闘容疑で3人を追送検 総社署など」という記事がある。場所は岡山だ。2002年9月26日の西日本新聞に、「決闘容疑 少年13人逮捕 暴走族のけんかに 立会人含め一斉摘発 県警」、場所は福岡。

2002年10月4日の読売新聞に掲載されている広島県呉市での事例では、「県内では昭和四十年代に一件あったという」と解説されているぐらいだから、このころにはほとんど忘れ去られていた罪名だったようだ。それが2005年あたりから増え始め、かなり頻繁に見るようになる。「「K-1」まねて決闘」(東京・神奈川、2005年)、「携帯電話ブログに挑戦状」(宮城、2008年)など、時代性を感じるものも少なくない。

決闘事件が多い地域は?

編集部が調べたところ、冒頭に紹介した2014年7月の西日本新聞の記事まで、約22件の決闘容疑事件が発見できた。さて県別で見ると、いったいどこが多いだろう? 「決闘罪が多い地域」をカウントしてみた。

広島が6件で、1位。東京が4件。福岡と栃木が共に2件。あとは、埼玉、茨城、神奈川、大阪、岡山などが1件、という結果である。それにしても都道府県を見ると、「やっぱり」という感を禁じ得ない。広島のトップは、さすが......。やはり「仁義なき戦い」の舞台だけのことはある。

なお、2005年ごろから決闘罪の適用が増えたのは、暴走族の抗争では、被害届が提出されることが少ないことが理由の1つだという。また「乱闘」ともなれば実行犯もわかりにくいが、決闘罪はその場に参加していれば対象になるので、警察にとって「使いやすい」ためだという。

むしろ警察の都合によるところが大きいと考えると、「決闘事件」の多さは、警察がどれだけ暴走族などに手を焼いているかのバロメーター、ともいえるかもしれない。

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