栃木県のキャンペーンガールの応募要項がヤバい......「条件：失業者であること」
ご当地のPR活動に従事する観光親善大使は、いわゆる「ミスコン」として、地元在住の若い女性の中から選ばれることが多い。お嬢様風な衣装を身にまとった彼女たちは地域社会のマドンナ的な存在といってよく、テレビに出演する機会だってある。
アイドルの選抜オーディションほどではないけれど、応募期間は長めにとられ、数回にわたる審査の末に決定されるというのが一般的。選ばれた人の写真とプロフィールを見ると、偏見かもしれないが高嶺の花的なオーラがにじみ出ている。
観光親善大使は「失業者限定」
ところが、公益社団法人栃木県観光物産協会が2014年6月10日現在募集している「とちぎおもてなしメイツ」は、"緊急募集中"と銘打っているだけあって、応募条件が通常とは異なっている。
(1)失業者であること。
(2)休日のイベント、観光物産展にも対応可能であること。（宿泊を伴う出張有り）
(3)パソコン操作（ワード、エクセル等）に詳しいこと。
フレッシュさが求められる観光親善大使は、学生が選出されることも多い。しかし、今回のとちぎおもてなしメイツは「失業者限定」。栃木を代表する顔を選ぶなら条件の緩い方がいいような気がするけれども、県の緊急雇用創出事業を活用した募集だけに、この条件は外せないようだ。
パソコンも使いこなせないとダメ
条件(3)は失業者以上に高いハードルだ。観光親善大使募集でパソコン操作について問われるのは極めて珍しい。仕事内容を見ると、なるほど「PR原稿作成・情報整理作業」「楽天市場サイトへ本県専門HPの掲載」といった業務が含まれている。他の自治体ならスタッフに任せる仕事も、とちぎおもてなしメイツにはやってもらいたいということなのだろう。テレビ東京の女性アナウンサーのようだ。
学生時代にOA科目の単位を取っていたか、事務の仕事をやっていた経験がないと、パソコン操作に詳しいといえるレベルにはなれないだろう。OAスキルのある若い女性なら、仕事を選ばない限り失業していない気もするけれど。
報酬は日額8120円
ところで、失業中の身から奮起した美人タレントといえば、現在ものまねタレントとして活躍している福田彩乃が挙げられる。彼女は派遣切りにあった後、芸能事務所のオーディションに合格して芸能界入りを果たした。バラエティ番組だけでなく女優としても活動し、ドラマ「安堂ロイド」では木村拓哉とも共演している。
彼女のような人材が応募してこないとも限らない。箱入り娘よりも逆境ストーリーのある女性の方が支持される時代だけに、キャラが立っていれば人気に火がつくことも考えられる。
そういえばこの募集要項には住所の制限は一切書かれていない。普通は地元在住という条件が付くのだが......ひょっとして新しいスタイルのオーディションの一環なのだろうか。
ウェブサイトを見る限り今も募集中。週5日勤務で期間は2015年3月31日まで。報酬は日額8120円、交通費は支給される（ただし、月額の上限1万円）。
栃木県のためにひと肌脱ぎたい失業中の女性、あるいは該当者をご存じの人がいたら、一度栃木県観光物産協会に問い合わせてみてはいかがだろう。募集人員は１名と枠は意外と狭いので、早めに応募するほど合格の可能性は高まる。