リファイニング建築という言葉をご存じだろうか。老朽化した建築物を、元々の建物の大部分をあくまで生かしつつ、大きく「変身」させて再生する手法だ。 旧戸畑区役所庁舎の工事の模様。以下、写真は特記しない限り青木茂建築工房/上田宏氏提供 たとえば歴史的価値のある建築物の場合、外観はほぼそのまま残す一方、内部の構造を一新することで、再利用が可能になる。 戦前に建てられたクラシックな建物が... 2014年3月、このリファイニングによって新たな生命を吹き込まれたのが、福岡県北九州市の「旧戸畑区役所庁舎」だ。 現役時代の旧戸畑区役所庁舎(2007年、MK Productsさん撮影、Wikipedia日本語版より) 旧庁舎は1933年に建造された。当時流行した帝冠様式などを盛り込んだ、クラシックな外観だ。 当初は戸畑市役所、のちには北九州市役所として一時用いられ、2007年まで同市戸畑区役所として活躍した。区役所の移転に伴い、建物をリファイニングし、戸畑図書館として第2の人生を送ることとなった。 役場のロビーがまるで一変! 手掛けたのは、この分野の第一人者として知られる青木茂・首都大学東京特任教授だ。これまでも多くの伝統ある建物の再生に携わり、その活動は『住む人のための建てもの再生』『リファイニングが導く公共建築の未来』(ともに総合資格)などの著書にまとめられている。 今回のリファイニングでは、外からの見た目はほとんど変えないまま、内部を抜本的に作り替えた。以下に紹介するのは、その「変身」の模様だ。 工事前のロビー(南北方向) まずはロビー。やや古めかしい、「いかにも」な役場という雰囲気だったが......。 解体後のロビー これが解体後。ここからさらに工事を進め、 完成後のロビー いかがだろうか。天井部が吹き抜けになったこともあり、まるで別物のように開放的な空気となった。手前にはカフェまで。だが解体後の写真などと見比べれば、元々の建物がかなり生かされているのも見て取れる。 水玉風のアーチがおしゃれ 工事前の廊下 続いては、上記のロビーのすぐそばの廊下。 解体後の廊下 これも一度解体したうえで、 完成後の廊下 このように、ガラリと趣を変えた。建物の補強も兼ねて設置されたアーチフレームが、どこかかわいらしいムードを出している。 デスクが並んでいた納税課も... 工事前の2階執務室 こちらは、2階の執務室だったスペースだ。かつては納税課があった一角だという。日々デスクに向かい、職員たちが仕事に励んてきた様子が目に浮かぶ。 解体後の2階執務室 解体によって、壁が取り払われた。 完成後の2階執務室 いかがだろうか。まったく印象が違うが、写真左側の柱などをよく見れば、同じ場所だということがわかるはずだ。 図書館として再生! 工事前の2階執務室 最後に、かつてのやはり執務室。 解体後の2階執務室 天井や柱などがごっそりなくなり、 完成後の2階図書室C 光差し込む図書室へと姿を変えた。 市民からも好評の声相次ぐ 旧戸畑区役所庁舎は、長らく地域のシンボルとして人々に親しまれてきた。その建物が、設備の整った図書館として再び活用されるようになったことに、市民からも好評の声が相次いで上がっている。 リニューアルの戸畑図書館。 先日、ちらっと立ち寄りました。 とっても明るく温かみのある感じがしましたよ。 先にリニューアルした黒崎よりも狭いから、そこかしこに工夫を http://t.co/CRMTe2S5l8 pic.twitter.com/21AEUDminh— Mihoko Kawano (@kavachanmasya) 2014, 4月 18 戸畑図書館が素敵すぎて...!!外はレトロなのに、中はすごく近代的でした。 pic.twitter.com/VYF7HIi68c— み (@mzk_i0x0) 2014, 4月 20 戸畑図書館、天井も高くてゆったりとしていて気持ちいい。一階のカフェでアレしてみた pic.twitter.com/TDv6kUQ7ID— まついたかし (@taka_dance) 2014, 4月 12 新戸畑図書館!!! 素晴らしい!!!! pic.twitter.com/B1Iph6VQK0— きゅんさく (@syun39yasumura) 2014, 4月 6