「ひよ子」は本当に「東京名菓」なのか!? ルーツは福岡で工場は埼玉県...
東京駅や羽田空港の売店で「おみやげに何を買っていこうかな♪」と品定めをしているとき、真っ先に目にとまるのが「名菓東京ひよ子」ではないだろうか。
隠元豆が原料の黄味餡(あん)を、小麦粉と卵、上白糖から作られる皮でくるみ、じっくりと焼き上げている。首都圏に19の直営店を構え、百貨店やスーパー、駅・空港の売店、SA・PAでも購入できる。
福岡で100年、東京では50年の歴史
関東生まれの和菓子と信じている人も大勢いるだろうが、実は福岡市南区に本社がある「ひよ子本舗吉野堂」が開発した商品だ。東京デビューしたのは今から50年前の1964年。新宿駅のステーションビルで発売を開始したのを皮切りに、2年後には東京駅へ進出した。1988年に分社化したが、同じグループ会社で社長も同一人物が務めている。
福岡で売られている商品は、東京が付かない「名菓ひよ子」。商品ラインナップは若干異なるが、当地で100年の歴史がある。
「巨人に地元選手を取られたような...」
九州出身者は東京ひよ子を見るたびに、複雑な思いを抱いている模様。
ん~、この辺及び東北エリアで、お土産として持ち帰りされてる、"ひよ子"に、九州出身から見ると、なんか違和感を感じるなぁf^_^;。多分、わざわざ"東京 ひよ子"ってなってるからかもなぁ...。
— SGM0205 (@sgm0205) 2012, 12月 22
巨人に地元選手を取られ、出身地まで偽装された風な感情を持ってるw RT @en_0: 『ひよ子』は福岡の飯塚発祥の菓子で、本社も福岡(東京は『東京ひよ子』の名で本社あり)。なので、福岡県民に「東京みやげです!」とひよ子を持っていくのは危険行為。 #あまり知られていない事実を晒せ
— はねつさん (@HanetsuNews) 2012, 5月 18
ひよ子エピソードには続編があります。福岡が発祥の地とは知らず、手土産に東京ひよ子を持って行った私ですが、友人のご両親が私の為に用意していてくれていたお土産も、 ひよ子でした。
— 青緑 (@haruka1989) 2011, 3月 29
福岡で戦争起こすには兵器はいらない東京ひよ子があればいいってことですね
— 焼きたてぺるぽっちゃぽっぴぽっぽーちこぱ (@mugippoi) 2012, 9月 5
実は「埼玉名菓」だった!?
さらにいうと、東京ひよ子は「メイド・イン・東京」ですらない。工場は東京進出以来一貫して埼玉県草加市にある。今年で工場設立50年を迎えたのを記念して、草加市内の小学校に入学する新1年生向けに、ひよ子のマスコットキャラクターをあしらった交通安全用反射材2200個を東京ひよ子は寄贈している。
これは広めなければならない。東京ひよ子は埼玉県草加市で製造されていることも。しかし、東京限定の塩ひよ子はうまい
— YT (@sland81) 2011, 11月 27
@marimo_tadokoro 東京ひよ子の本社は草加にあるから埼玉銘菓。いばらっきーは無関係じゃ。でもやっぱ、よけいにややこしくなったから日本の銘菓でいいや。外国に持ってけ。
— 中武一日二膳 (@2zen777) 2012, 10月 10
福岡で誕生し、埼玉で生産される「ひよ子」。もはやどこが「東京」なのだと思わなくもない。
とはいえ、50年にわたり「東京みやげ」として買い求められ、無数の人々を笑顔にしてきたこともまた事実だ。無理に「うちが本家!」と決めてしまうのも、なんだか無粋な話なのかもしれない。