大阪唯一の「過疎」の村・千早赤阪村ってどんなとこ?
人口減少が進み、財政力も弱く、住民が一定の生活水準を維持することが困難になった「過疎地域」は、日本の面積の半分以上を占める。
過疎、というとどうしても都心から離れた地方を想像するが、意外にも全国一の人口を誇る東京都も過疎エリアがあり、「奥多摩町」「桧原村」の2自治体が指定されている。
大阪中心部から1時間半に別天地
一方で西の中心・大阪府にはこれまで過疎地域がなかった。ところが、2013年度中に「過疎地域自立促進特別措置法」が改正されれば、大阪唯一の村・千早赤阪村も新たに指定される可能性が高い。
千早赤阪村はいったいどんなところか。大阪の南東部に位置し、面積の80%は山林で占められる。大阪市の中心部からは、JR、近鉄と乗り継ぎ、最後はバスに乗り換える。おおよそ1時間半弱といったところか。
2013年12月末時点での人口は約5859人だが、1995年10月時点は7459人だった。18年間で約21%も減少した計算になる。お隣の河内長野市と合併する話もあったが結局破談になった。
キャッチフレーズは「一冊の絵本のような村」。斜面に階段状に積み重なった棚田は、日本の棚田百選に選ばれている。大阪府と奈良県の境界をなし、年間約120万人の登山客が訪れる「金剛山」もあり、ガヤガヤした大阪の街とは別世界だ。

楠木正成とAKB
村出身の大物といえば、なんといっても楠木正成だ。後醍醐天皇の忠臣として知られ、村内にあった「下赤坂城」と「千早城」で籠城戦を展開した。大軍を釘づけにしたことで全国に鎌倉幕府打倒の旗が上がり、滅亡のきっかけを作った。

楠木正成にAKB48。「過疎の村」とは一言で片づけられない、今も昔も「話題性」に富んだ村だ。