埼玉がいつのまにか「菓子の王国」になっていた
あと10日ほどでバレンタインデー。総務省の「家計調査」によると、チョコレートの年間支出額は4528円。1月から徐々にその額は増えていき、ピークは2月13日となっている。百貨店や菓子店、スーパーのチョコレート売場は賑わい出す頃だろう。
甘い愛の告白チョコも2割は埼玉産
チョコレートは2011年に約3700億円分が全国で製造された。このうち最もシェアが高いのは埼玉県で、全体の17.5%を占める。2010年までは大阪がトップだったが2011年に抜かれ2位。以下、茨城、神奈川、兵庫、北海道と続く。
実はチョコレートに限らず、埼玉は意外と?お菓子の生産が盛んな土地だ。いっそ「彩の国」なんて名前は返上して、「菓子の王国」を名乗ってもいいぐらいに、最近では菓子業界の進出が目立つ。
菓子メーカー大手の明治は、春日部市、戸田市、坂戸市の3カ所に工場を有する。ロッテは、浦和市と狭山市の2カ所。銀座コージーコーナーも3カ所ある工場のうち2つは川口市と鶴ヶ島市にある。グリコは、見学施設「グリコピア・イースト」を併設した関東最大規模の工場を北本市に建設して、2年前に操業を開始したばかりだ。
副知事「日本一は当分揺るがない」
大消費地東京に近く、関越道や東北道も通っていて北関東や新潟方面へのアクセスもいい。首都圏中央連絡自動車道(圏央道)の開通で利便性がさらに増したことが、食料品系の工場の進出が増えている理由と考えられる。
チョコレートとは若干異なるが、原宿スイーツで有名な老舗洋菓子メーカー・コロンパンもまた2012年5月、加須市に埼玉工場を竣工した。その記念披露パーティーに出席した副知事は次のようにスピーチした。
「埼玉県は洋生菓子の出荷額が日本一。新工場が加われば、日本一の地位は当分揺るがない」
菓子メーカーの工場建設は今後も続く。今年4月には中央軒煎餅、来年12月にはシェリエが県内でそれぞれ新工場の操業を開始する予定だ。