主婦「めろめろ」、美少年缶詰の正体
兵庫の名産品を「美少女・少年キャラ」に擬人化して全国にPRする「兵庫もえしょくプロジェクト」に、姫路市の会社が取り組んでいる。
この会社は、販促物等の企画・製造を行うヤカグループ。県産品を売り出したい企業は、商品のコンセプトや入選者に支払う懸賞金の金額を「もえしょくプロジェクト」のウェブサイトで公開。応募作品の中からグランプリを選定する。
同社によると、美少女・少年キャラを作ってほしいという企業の問い合わせが相次いでいる。すでに養父市・氷ノ山国際スキー場のPRキャラクターが同プロジェクトで擬人化。現在は老舗かまぼこ会社がキャラを募集中で、11月にも数件の募集がはじまる予定だ。
男性キャラが主婦に刺さる
「もえしょくプロジェクト」は元々、静岡県三島市のハイスペックという会社が2010年にスタートさせ、現在はフランチャイズ展開している。プロジェクトのイメージキャラクター・ふじタンもハイスペックが制作し、ヤカグループが兵庫県バージョンを使用している。
ハイスペックが最初に手掛けた擬人化は、富士宮市の名産「虹鱒」の缶詰。普通の絵ではアピールが弱いという理由から「虹鱒を擬人化できないか」というオーダーがあった。
「イケメンキャラで主婦の人気を集めよう! そんな意気込みで募集しました」(ハイスペック・佐野さん)という結果に生まれたキャラが「ニジオ」で、オリーブオイル漬けの「鱒財缶(そんざいかん)」狙っていた主婦層の反応も上々だったという。
プロジェクト名の「もえしょく」は、「萌え食」と「燃え職(人)」をかけている。これまでに約40社が依頼し、応募者は累計で1000人に達する。プロの漫画家が覆面で応募したケースもあったという。
「採用者に連絡をとったところ、名前を聞いてこちらがビックリするケースもありました」(佐野さん)
かれんちゃんの口ぐせは「もつカレさま♪」
静岡市清水区のB級グルメもつカレーは、「もえしょくバージョン 百都かれんちゃんのもつカレー」を制作した。美少女キャラの百都かれんちゃんの設定は、同区に住む17歳の女の子だ。
もつカレーとサッカーが大好きで「もつカレさま♪」が口ぐせ。パッケージを萌えキャラに変更したところ、売上が倍増したという。「ニジオ」と「かれんちゃん」はボーカロイドによるテーマソングもあり、情報拡散に役だっている。
佐野さんは「地域の物産に美少女・美少年キャラが加わることで、全国に発信することができればと考えています」と意欲を語る。