【ご当地】熊本名物「馬刺し」に歴史あり
東京・吉祥寺の熊本県物産センターで、熊本の逸品と銘打たれた「鮮馬刺し」を買ってみた。千興ファームという会社が販売しているものだ。
専用工場で徹底的に衛生管理

この馬刺しがなぜ熊本の「名物」とされるのかといえば、立派なワケがある。戦国時代の猛将として名を馳せ、初代の熊本藩藩主となった加藤清正が馬刺しを食した「元祖」なのだという逸話があるのだ。清正が朝鮮出兵時に食料不足に陥り、軍用馬をやむなくナマで食べたのが、馬刺しのおこりだと伝えられる。清正が帰国したのちに、馬刺しという食文化は熊本に広まっていったという。
それから約400年後の昨今、食肉・生肉の衛生の問題が世間を騒がせる機会も多いが、この馬肉は、専用の工場で徹底的に衛生管理されているので、安心して食べることができる。また栄養面でも、高タンパク・低カロリーでヘルシーなのだそうだ。
活力を血肉として取り込む感覚
さて、食べ方はシンプルに、おろししょうが、おろしにんにくなどを薬味にして、しょうゆでいただく。肉には弾力があり、クセ、獣臭というほどではないが、そこはかなとない野性味を感じる。そして「馬」という動物のイメージから、馬力、活力をいままさに血肉として取り込んでいるかのような錯覚を味わえる。これが馬肉のいいところだ。
肉と言えば豚・鶏・牛――といった決まり切った、たるんだ日常の食生活に、ちょっとしたカツを入れてくれる鮮馬刺しであった。
メーカー:千興ファーム