主人公は「歯」。悩みは「モテたい」。難点は「歯の歯」...京都府のアニメがカオス
京都府のネット放送局「ねっとTV京都府」で、「歯」が主人公のシュールなアニメ「歯っとするアニメ」が公開されている。2015年4月18日(よい歯の日)に公開されたこのアニメは、「歯と口の健康づくり」運動の一環として、京都府健康福祉部と京都歯科医師会、京都工芸繊維大学が共同で作成したものだ。
健康福祉部の若手職員と歯科医師会の会員が共同で脚本を作成し、アニメーションの制作を京都工芸繊維大の学生に依頼。「キモかわいい」絵柄と気の抜けたようなアテレコが織り成す独特な空気感が特徴の、シュールなアニメ作品が完成した。
第1話の「ハヤマ・ザ・リフレッシュ」は、働き始めて間もない世代の歯周病予防対策をテーマにしている。そのあらすじは、以下の通り。
物語の主人公は、歯に目と口がついたような見た目のキャラクター、歯山健介(28歳・独身・彼女ナシ)。会社員の歯山はここ最近、「モテたい」という野望を抱いて過ごしている。
だがある日、同僚の女子社員が「歯山さんの歯が汚い・口が臭い」と噂しているのを聞いてしまう(「歯」なのに「歯」が汚いって......)。
歯山はショックを受け、さまざまな自己流の方法を試してみたが、うまくいかず落ち込む。そんな時、「謎の歯科医師」が現れ、歯山に歯科検診を勧める。歯の治療を終えリフレッシュした歯山さんには、恋の予感も訪れて――。
動画に登場する「謎の歯科医師」とは、今回の動画作成メンバーの一員でもある、歯科医師会の会員・仲岡佳彦さん(なかおか小児歯科クリニック院長)だ。また、動画の終わりには「歯の健康のためのハ長調」という洒落の効いたタイトルのテーマ曲も用意されている。
どうやら一部のシュールアニメ愛好家にはたまらない何かがあるらしく、ツイッターや2ちゃんねるなどネット上では、以下のようなコメントが見られた。
「ヤバい好きかもしれん...」
「絶妙なキモさだった」
「京都府さんなにしてるんですか」
今回のアニメ制作について京都府健康対策課の担当者に話をうかがうと、
「歯と口の健康を考える機会になれば、という思いから制作を決定しました。乳児期や幼児期、壮年期など、ライフステージ別にアニメを制作する予定です。今回の第1話は、『歯科検診に興味のない会社員』をターゲットにしています」
とのことだ。アニメは全5話を予定しており、第2話は「乳児期」をテーマにした作品になるという。