各地でつまづく「アニメで町おこし」の現状
アニメや漫画による地域振興が全国各地で盛んだ。
作品の舞台となった場所にファンが出かけて思いをはせる......という行為は昔からあったが、「らき☆すた」の舞台となった鷲宮神社(埼玉県久喜市、旧鷲宮町)は、聖地巡礼ブームが注目されるようになった場所の1つに違いない。同神社を訪れるファンはアニメ放送が始まった2007年くらいから急増し、ここ数年の初詣参拝客は47万人前後をキープしている。埼玉県内の初詣スポットとしては、氷川神社(さいたま市大宮区)に次いで2位だ。
これを機に観光資源としてのアニメ・漫画が強く認識されるようになり、今や多くの自治体がアニメツーリズムに取り組んでいる。
茨城県大洗町は「ガールズ&パンツァー」の聖地として大勢のファンを集めるのに成功したし、「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」も、多くのファンが舞台の埼玉県秩父市を訪れている。
東京の練馬区や杉並区はアニメ制作会社が多く立地していることで有名だが、両区とも行政が企業を誘致したわけではなく、「23区内にしては土地代が安くて、アクセスもまあまあ」だから集まったにすぎない。りんくうタウンと同じことを成田でトライしても厳しかっただろう。
政府の「クール・ジャパン」推進や「地方創生」政策を受け、今後も増えそうな「アニメで町おこし」。つまづきが続いて、自治体が「アニメはもうこりごりだよ~(チャンチャン)」と言いださないといいのだが......。