結晶の共振固有振動による大きく高速な屈曲を世界で初めて発見
メカニカル結晶はアクチュエータやソフトロボットへ実用化する段階に到達
2023年3月29日
早稲田大学
東京工業大学
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発表のポイント
光や熱などの外部刺激を動きに変換する「メカニカル結晶」の開発において、これまで光異性化・相転移・光熱効果などの現象が駆動源として用いられましたが、高速かつ大きな動きを創出することは難しく、課題でした。
本研究グループは、結晶に光を当てることで固有振動が起きて高速屈曲が生じ、この固有振動と同じ周波数の光を与えることによって生じる共振(共振固有振動)により、屈曲が大きく増幅することを世界で初めて発見しました。
共振固有振動を用いることであらゆる結晶を高速で大きく屈曲させることができるため、汎用性のある高速アクチュエーション機構として、ソフトロボットなどへの応用が期待されます。
【動画:https://www.youtube.com/watch?v=zvlUu52Yeis】
早稲田大学(東京都新宿区、総長:田中愛治)ナノ・ライフ創新研究機構の小島秀子(こしまひでこ)招聘研究員と、同大理工学術院の朝日透(あさひとおる)教授、同大学大学院先進理工学研究科4年(一貫制博士課程4年)・日本学術振興会特別研究員(DC1)の萩原佑紀(はぎわらゆうき)らの研究グループは、東京工業大学(東京都目黒区、学長:益一哉)物質理工学院の森川淳子(もりかわじゅんこ)教授らと、結晶に光を当てることで固有振動が起きて高速屈曲が生じることを発見しました。さらにこの固有振動と同じ周波数の光を与えることで、共振により屈曲が大きく増幅することを世界で初めて発見しました。今回の共振固有振動を用いることで、汎用性の高い高速結晶アクチュエータやソフトロボットの実現が期待されます。
本研究成果は、Springer Nature社発行による『Nature Communications』誌のオンライン版に2023年3月13日(月)(現地時間)に掲載されました。
論文名:Photothermally induced natural vibration for versatile and high-speed actuation of crystals
DOI: https://doi.org/10.1038/s41467-023-37086-8