電通グループ、朝日放送テレビなどとクリエイター向けNFT利活用スキーム「ghost Link」の実証実験を開始
―7社と共同でWeb3時代の新しいクリエイターエコノミー形成を模索―
2023年3月14
株式会社電通グループ(本社:東京都港区、代表取締役社長 CEO:五十嵐 博、資本金:746億981万円)のR&D組織「電通イノベーションイニシアティブ」※1は、Web3時代に向けたテレビコンテンツ領域における新しいファンエコノミーを模索する取り組みの一環として、朝日放送テレビ株式会社(以下「ABC」)、株式会社3RD GEAR、株式会社セプテーニ・インキュベート、シビラ株式会社、ソニー株式会社(以下ソニー)、ISI-Dentsu of America、Infinite Objects(以下「IO」)の7社※2と共同で、NFT利活用スキームによる新たなクリエイターエコノミー形成に関する実証実験「ghost Link」※3を開始します。
昨今のテレビコンテンツ領域におけるトレンドとして、コンテンツの視聴や関連商品の購入に留まらず、UGC(User Generated Contents)と呼ばれる視聴者によるコンテンツの解説記事やシナリオの予想記事などのSNS上での発信により、ドラマなどの一次創作物の視聴行動が喚起されるといった新たな視聴者動線が生まれています。また、ブロックチェーン領域では、NFTを「改ざんの困難な権利情報」と捉え、画像などのデジタルデータに対する知的財産権(IP)をNFT化し、NFTを軸とした多様なロイヤルティ・サービスやコミュニティが構築され、NFTの保有者同士が互いにトークンの価値を高めあう動きが進んでいます。NFT保有の特典として、オリジナル画像にインスピレーションを得て、対象IPを用いた服飾デザインや楽曲などの制作物を販売するNFT保有者も登場しています。
このような新たな潮流を捉えて、8社は共同で、ABC制作のVRドラマコンテンツ「TOKYOCASE」※4に登場するメインIPである「怨霊マガツヒ」について、NFTを用いた実証実験「ghost Link」を開始します。本実験では、全面的な二次創作が可能となるクリエイター向けNFTを発行し、NFTの保有者に対して、自由な翻案、編集を認め、制作・複製・配信などの権利についても商用・非商用を問わず許諾します。そして、対象IPに着想を得たクリエイターによる二次創作の展開を検証することで、テレビコンテンツ領域におけるUGCの価値に対する適正な評価モデルを検討するとともに、コンテンツの作り手となるクリエイターの発掘を目指していきます。
<ABCのVRドラマコンテンツに登場するメ インIP「怨霊マガツヒ」>
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202303143899-O2-eDWbITi9】
また、映像クリエイターによるIPの二次創作を推進すべく、デジタルと質量の関係をテーマとした作品を手がけるメディアアーティスト落合 陽一氏をリードクリエイターとして招聘します。同氏から創作者視点でのフィードバックを得るとともに、IOとのコラボレーションにより、クリエイターの創作活動を積極的に支援していきます。また、本実験では、シビラのコントラクトウォレット※5とソニーのハードウェアウォレット技術※6をIOの印刷技術「Video Prints」※7と組み合わせることで、簡便なユーザー動線の下に、NFT取引の安全性と利便性を両立させる技術についても検証予定です。
<「ghost Link」の展開例:リードクリエイター落合 陽一氏による二次創作物>
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202303143899-O3-KhtdzY9F】
電通グループでは、本実験結果に基づき、今後もエンタメコンテンツ領域においてNFTを活用した新規事業開発を推進していきます。
※1:電通イノベーションイニシアティブは、電通グループ全体のR&Dを推進する当社内組織です。また、株式会社電通、株式会社電通国際情報サービス、株式会社セプテーニ・インキュベートの3社との共同で、Web3.0領域における新しいビジネスの研究および実践を行うグループ横断組織「web3 club™(ウェブスリークラブ)」を組成しています。「web3 club™」発足のリリースは以下のURLよりご覧ください。
URL:https://www.group.dentsu.com/jp/news/release/000804.html
※2:本実証実験の共同先
【表:https://kyodonewsprwire.jp/prwfile/release/M105945/202303143899/_prw_PT1fl_nPHJPpa7.png】
※3:「ghost Link」は株式会社電通グループが商標出願中です。
※4:「TOKYOCASE」は、2022年10月からMeta Quest TV(Meta Quest2アプリ)で世界配信されているドラマ。制作は、朝日放送テレビ株式会社。
URL:https://tokyocase.asahi.co.jp/
※5:本実験では、NFTやブロックチェーンについての知識を持たないユーザーでも、一般的なWebアプリケーションと同様のUXでユーザー自身がNFTを管理できる自己主権型ウォレット「unWallet」を使用します。シードフレーズの管理が不要で、秘密鍵の紛失・盗難に対応するためのリカバリー機能や、メタトランザクションによる代払い機能、詐欺からNFTを保護するロック機能などを備えています。詳細は以下のURLよりご覧ください。
URL:https://www.about.unwallet.world
※6:非接触ICカード技術「FeliCa(フェリカ)」で培った知見を基に開発したICカード型ハードウェアウォレットに活用されている技術です。シビラのunWalletとソニーのICカード型ハードウェアウォレットの組み合わせについては、他の実証実験においても検証されています。詳細は以下のURLよりご覧ください。
URL:https://www.sony.co.jp/corporate/information/news/202203/22-0318/
※7:本実験では、カスタマイズ可能なデジタルディスプレイにより動画を編集不可かつ半永久的なデザインオブジェクトとして販売することが可能なIOの特許技術「Video Prints」を採用します。同社の製品は、Web3ブロックチェーン技術による独自の認証方法を備え、IOはNFT領域において著名な動画コンテンツの配布実績を多数有しています。
以 上