前海が制度的革新で香港の起業家を呼び込む
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【深セン(中国)2022年4月27日新華社=共同通信JBN】4月27日はQianhai Shekou Free Trade Zone(前海蛇口自由貿易区)発足の7周年に当たり、その日々の変化は常に興味深い。Qianhai Shenzhen-Hong Kong Modern Service Industry Cooperation Zone(前海深港現代サービス業協力区)の管理局によると、2021年に前海で登記された香港資本の企業の数は前年に比べて156%増加し、香港資本の実用額は外国投資総額の93.8%を占めている。2022年第1四半期の香港資本の実用額は148.01%増の12億7200万米ドルに上り、外国投資の92.97%を占めた。
世界的な景気回復の時期に、中国は前海のレイアウトの更新を継続し、広東、香港、マカオの開発を組み入れている。制度的革新は、前海で第1級のビジネス環境を育むための基盤となっており、その結果として、香港から多くの起業家を呼び込んでいる。洞察力の鋭い起業家であれば、一刻も早くチャンスをつかもうとするだろう。
Xu Ziyan氏は前海でビジネスを始めた香港の若者の1人である。この1990年代生まれの若い女性はここで自身の会社を登記したばかりで、前海は香港人が中国本土でビジネスをするための第1候補だと確信している。同氏はこれまでフィージビリティースタディーのために前海を何度も訪れている。
深センの西部、珠江河口の東岸に位置する前海は、国務院が2010年に深セン経済特区の前海深港現代サービス業協力区総合開発計画を承認したのを受けて「経済特区の特別地域」に指定されている。前海の制度的革新は「アバンギャルド」であり、そのソフトなサービスとサポートは「驚くほど」である。Xu Ziyan氏は「さまざまな会合で、われわれは自分の意見を当局者に率直に言うことができる。前海政府はわれわれの意見を直接聞くことができる」と断言した。
Xu氏の会社はニューメディアビジネスに重点的に取り組んでおり「生きた取引」を通じて香港ブランドを本土に結び付けることを支援している。同氏は「前海プラットフォームを用いて、われわれはサプライチェーンだけでなく、必要としている企業にも結び付くことができる。これは、『干し草の山の中から針を見つける』ような面倒なことからわれわれを救ってくれる」と話した。
外部の世界から見た場合、前海協力区は投資、貿易、金融、その要としての法の支配における制度的革新によって「前海モデル」を確固として構築しており、これは中国の他の場所に活用される重要な「情報源」となっている。
KPMG Intelligent Innovation SpaceのパートナーであるSun Lecheng氏は、前海は規則、制度、機構、モデルにおいて制度的革新の広範な目標を設定したと指摘している。その基準は高いだけでなく「実用的で堅実」でもある。
前海は、司法、金融、サプライチェーン、サービスと製造業の統合、新技術、新ビジネスモデルなどを含む多数の分野で制度的革新を促進してきたことで知られている。例えば、Shenzhen-Hong Kong International Law Zone(深港国際法務区)の開業、International Talent Port(国際人材港)の創設、マルチカントリーコンソリデーション(MCC)や、海上交通ハブ、アウトバウンド航空サービスセンターが設置され、Qianhai Shenzhen-Hong Kong International Financial City(前海深セン香港国際金融都市)が設立し、World Intellectual Property Organization Technology and Innovation Support Center(WIPO-TISC)が発足、Guangdong-Hong Kong-Macao New R&D Institutions Support Program(広東・香港・マカオ新研究開発機関支援プログラム)も推進されている。
最新の統計によると、これまでに前海蛇口自由貿易区は685件の制度的革新を立ち上げ、800億元(122億米ドル)超相当の物品が世界中からQianhai Comprehensive Bonded Zone(前海総合保税区)に集められ、その後、世界中に積み替えられている。
ソース:Authority of Qianhai Shenzhen-Hong Kong Modern Service Industry Cooperation Zone