ひろしまが砂場に?広島県が仕掛ける「失敗したっていい」壮大なAI/IoTの社会実験とは!?
5月17日に渋谷で行われたサンドボックスの発表会において,湯﨑知事から「ひろしまサンドボックス」について説明した言葉にその特色が隠れている。
一般的に,行政が行う産業支援施策には,大きくわけて,"補助"事業と,"委託"事業の2種類がある。
補助事業とは,企業がやりたいと考えている事業を行政が後押しするもので,有名な施策では中小企業庁が行っている「ものづくり補助金」など,企業が新しく事業をする際に必要となる機械設備や試作品製作費用の一部について支援するものがある。
一方で委託事業とは,行政がやりたいと考えている事業を企業に代わりにやってもらうもので,行政が主催するイベントの運営や人材育成プログラムなど,その事業に必要な費用を全部支払うものである。
では今回の「ひろしまサンドボックス」はどちらなのかというと,"補助"事業かと思いきや,"委託"事業ということ。
広島県が県内において,AIやIoTを使った実験をしてほしいと,企業にお願いする施策なのだ。なので企業には,その実験に必要な費用を全て広島県が支払うのである。
また,実験内容についても,「人づくり」や「新たな経済成長」とテーマを上げているが,「その他:新たな付加価値の創出や生産性の向上につながるもの」が含まれており,端的に言うと実験テーマは何でもよいことになる。
さらに,実験することが"委託"事業の目的となっているので,例えその実験が失敗に終わったとしても,実験にかかった費用はきっちりお支払いしますというスタンスを取っており,第一歩が踏み出せない企業やベンチャーの背中を強く押す制度となっているのだ。
このような他の自治体では類を見ない広島の新しい取り組みに注目していく。
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