たくさんの荷物があったというのに、その人は......。 海外在住の女性・Aさんが一時帰国中に体験したこと。 ある日、快特で(画像はphotoAC) <Aさんからのおたより> 2018年、1月。日本に住む母から、入退院を繰り返していた父の容体が悪化し、余命数か月だと連絡を受けました。 夫と、アメリカの小学校を一時休学した上の子、そして生後間もない赤ちゃんを連れての緊急帰国。 そして翌月、父は家族に囲まれて他界しました。 電車で赤ちゃんを抱いて立っていると... 3月。まだ悲しみは癒えませんが、私たちはもうすぐアメリカに帰国しなければなりません。 父を失くした母と残りの時間を一緒に過ごしていたある日の夕方、品川から家族で電車(快特)に乗車し、下の子を抱っこ紐で抱え立っていました。 ドア近くに座っている男性がこちらを見て、私が赤ちゃんを抱っこしてる事に気づいたのでしょう。席を立ち、上の棚から自分のリュックを下ろすと、他の手荷物も両手で持ちドア近くに移動させ、一旦荷物を全部床に置きました。 でも座席にはまだ男性の手荷物の紙袋が。 そして私に向かって「どうぞ」と言うと、サッと最後の残された紙袋を引き、席を譲ってくれたのです。 その紙袋は私がちゃんと座れるようにと残しておいてくれた男性の優しい心遣いでした。 私はお礼を言って座り、「良かったね」と赤ちゃんに話しかけました。 きっとこの男性は次の川崎駅で降りるのだろうと思い込んでいたのですが、川崎駅を出発後もその男性は乗車していました。ならば次の横浜駅? いいえ。横浜駅で降りたのは私たちの方です。 改めてお礼を言い、私たちは下車しました。 快特なのでその男性は上大岡または横須賀方面で下車するのでしょうか。私たちよりも長い乗車になります。 譲ってもらえた席のその後はというと、その男性が再び座れることになりました。 私が席を立った後も、周りにいた乗客は座ろうとしなかったのです。 もしかしたら譲ってくれた男性が横浜駅で降りないのでは、と思ったのかもしれません。 私が下車すると同時にその男性は元いた席に戻っていきました。 小麦色に焼けた肌が印象的な男性でした。 あの時は本当にどうもありがとうございました。 たくさんの荷物を抱え、紙袋まで残して私と赤ちゃんに席を譲ってくれたあなた。 その赤ちゃんは大きく成長して幸せに育っています。 【このコーナーでは読者のみなさんからの投稿を紹介しています】 名前も知らない、どこにいるかもわからない......。そんな誰かに伝えたい「ありがとう」や「ごめんなさい」、あるいは「どんなもんだい!」を心の中に秘めている、という人もいるだろう。 Jタウンネットでは読者の皆さんの「『ありがとう』と伝えたいエピソード」「『ごめんなさい』を伝えたいエピソード」「親切自慢エピソード」「親切目撃談」などを募集している。 読者投稿フォームもしくは公式X(@jtown_net)のダイレクトメッセージ、メール(toko@j-town.net)から、具体的な内容(どんな風に親切にしてもらったのか、どんなことで助かったのか、どんなことをしてしまい謝りたいのかなど、500文字程度~)、体験の時期・場所、あなたの住んでいる都道府県、年齢(20代、30代など大まかで結構です)、性別を明記してお送りください。秘密は厳守いたします。 読者投稿フォームから送る 公式XのDMで送る メールで送る ※本コラムではプライバシー配慮などのために体験談中の場所や固有名詞等の情報を変更している場合がありますので、あらかじめご了承ください