奇妙なシルエットに「危険なので乗らない」 何が危険?何に乗っちゃダメ?富山市に立つ注意看板の謎を追う
富山市に立つ看板に描かれたピクトグラムが、X上で注目を浴びている。
富山県美術館プロムナードに関する、注意喚起のようだ。
「作品に手を触れない」「危険なので乗らない」と記されているが......。
「危険なので乗らない」って、何に?
ピクトグラムで示されているのは、2つの大きな目を持ち、羽のようなものと、2本の太い足、それからミョ~ンと長いのとシュッと短いのが横から生えた〝何か〟の上に、人が乗っかっている状態である。
もしかして、この謎の存在の上に乗ってしまうと、どこかへ連れて行かれてしまう? そういう危険が、あるのかしら?
Jタウンネット記者は看板の意味を追った。
謎のシルエットの正体は――
立て看板が伝えようとする、「危険なので乗らない」の意味。なにに乗ると、危険なのか。
それは、「ミルゾー」である。
「ミルゾー」って、知ってる? 見たことがない人も多いかもしれない。
一見、象のようだが、目がとても大きくて、見つめられたら、ちょっと怖いかも......。でもどこかユーモラス?
耳も大きくて、羽根のような形をしており、羽ばたけば飛んで行きそうだ。それに、ピクトグラムの横から生えていたのは、長い鼻と牙だったらしい。
富山市民ならご存じに違いない。市内の富岩運河環水公園内の富山県美術館に向かうプロムナードに、「ミルゾー」は居る。
いったい何者なのか? 全国の皆様も、きっと知りたいと思っているはず。Jタウンネット記者はそう確信しつつ、富山県美術館に詳しい話を聞いてみた。
富山県美術館の広報担当者によると、「ミルゾー」が生まれたのは2011年。なんと今から15年も前のことだ。ローカルなキャラクターには詳しいと自負していたJタウンネット記者も、残念ながら知らなかった。
「富山県美術館の前身となる、富山県立近代美術館の開館30周年を機に、多くの皆さんに親しまれる美術館のマスコットとしてデザインされたキャラクターです」と、担当者は語る。
生まれた当時は、黄緑色だった。2016年に富山県美術館に移転・新築する際に、シンボルカラーも青色へ生まれ変わったそうだ。
3体のミルゾーが美術館へ向かう
「ミルゾー」のデザインは、グラフィックデザイナーの大御所・永井一正氏。富山県立近代美術館の開館(1981年)から活動終了(2016年)まで、同館開催の企画展のポスターデザインを手がけてきた人物である。
「ミルゾー」という名前は公募によって選ばれたもので、「見る象」と「(これから)見るゾー!」とい意味をかけたダブル・ミーニングだという。
「ミルゾー」のキャラクターはイラストとして作成されたが、2018年、モニュメントとして立体になったものが富岩運河環水公園のプロムナードに設置された。
「美術館は富岩運河環水公園の敷地内にあり、駅から美術館に来ていただく際に、公園内のプロムナードを通ってきていただければ、という思いもあり、3体のミルゾーが美術館に向かっているように設置されています」(富山県美術館・広報担当者)
立て看板の「危険なので乗らない」とは、そのモニュメントに乗らないで、という意味だった。
「ピクトグラムで乗らないようにお願いしているのは、実際に破損があったことがあり、安全性や作品保護の観点からも、乗らないようにお願いしています」(富山県美術館・広報担当者)
ミルゾーは、子どもたちが思わず触りたくなり、乗ってみたくなるほど、かわいいモニュメントだけに、あえて注意喚起のためのピクトグラムを設置したというわけだ。
Xでの予想外の大反響について、広報担当者は、「2011年から美術館で親しまれているキャラクターが話題になり、嬉しく思っています。これを機に、プロムナードを通って美術館まで足を延ばしてくださる方が増えたらと期待しています」とコメントした。
「ミルゾー」に興味津々の全国の皆様、富山県美術館と「ミルゾー」を、「見るゾー!」という旅もいいぞー。
富山県美術館
所在地:〒930-0806 富山県富山市木場町3-20開館時間:午前9時30分~午後6時(入館は午後5時30分まで)
休館日:毎週水曜日(祝日除く)、祝日の翌日・年末年始
公式サイト:https://tad-toyama.jp/