「杖をつきつつ北海道を観光する私。長い一本道を引き返そうとしたら、地元民が車で追ってきて...」(静岡県・70代以上男性)
静岡県に住むSさんは2024年の10月半ば、杖をつきつつ北海道を旅していた。
最初の目的地は北斗市のトラピスト修道院。敷地内の工場で作られるバターやクッキーが有名な、厳律シトー修道会の男子修道院だ。
修道院までは、徒歩20分ほど。
タクシーを捕まえられなかったSさんは、「行けるところまで行こう」と歩き始めた。
<Sさんからのおたより>
もう半世紀以上続けている学友会の旅での思い出です。昨年は10月に青森へ行きました。
2泊で八甲田山、奥入瀬、十和田湖などを観光した後、友人達と別れた私はさらに旅を続けることに。
青森から北海道に渡り、木古内から渡島当別駅に行き、最初の目的地であるトラピスト修道院に向いました。
足の悪い私と、「徒歩20分」の目的地
渡島当別駅の近くに荷物を預かってくれる店があったので、そこにトランクを預けた私。タクシーもお願いしたのですが、30分以上掛かると言われました。
修道院までは歩いて20分程とのこと。私はちょっと足が悪く、杖に頼っているのですが、「行けるところまで行って引き返せばいいや」と思い、杖をつき歩きはじめました。
そして、トラピスト修道院の屋根が見える一本道まで、なんとか来ました。
そこで引き返せそうとしたら、荷物預かり所のご主人が車で来てくれたのです。ご主人は私をトラピスト修道院の門の所まで連れて行ってくれました。
さらに、帰りは函館行きの最終便に間に合うように、渡島当別の駅まで送り届けてくださったのです。
なんのお礼もせず、静岡に帰ったことが悔やまれてなりません。
荷物預かりのご主人、女将さん、本当にありがとうございました。
私も地元に来た旅人をお手伝いすることで、恩返しにしようと思います。
本当にありがとうございました。
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