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この選挙、クリーンすぎる 誰が勝っても〝極楽確実〟な候補者一覧がこちらです

福田 週人

福田 週人

2024.07.02 18:56
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誰に投票しても平和が訪れそうな心強すぎる選挙ポスターに、X上で注目が集まっている。

候補者は全員...仏様?(画像はエサ@meat_stewさんの投稿より)
候補者は全員...仏様?(画像はエサ@meat_stewさんの投稿より)
「臼杵の選挙ポスターは仏みたいな候補者しかいないので信用できる」

2024年6月22日、岐阜県在住のXユーザー・エサ(@meat_stew)さんがそんな呟きと共に投稿したのがこちらの画像だ。

「国宝臼杵石仏美仏総選挙ポスター掲示場」と書かれた掲示板には、立候補者それぞれの顔写真とキャッチコピーが載ったポスターが貼り付けられているのだが......なんと、候補者は全員文字通り「仏様」なのだ!

これならたしかに、誰に投票しても世の中を良い方向に導いてくれそうだが......一体、なぜこんな選挙が行われているのだろうか?

Jタウンネット記者は24日、選挙ポスターについて、まずは発見者のエサさんに話を聞いた。

あなたの「推し仏」は?

珍スポットやレトロな店を訪れるのが好きで、日本各地を巡っているというエサさん。 注目を集めた「石仏選挙ポスター」は2021年11月、大分県臼杵市にある史跡「国宝臼杵石仏」の入場口で発見したものだ。

「不動明王」のポスター(画像は臼杵市観光協会提供)
「不動明王」のポスター(画像は臼杵市観光協会提供)
「(発見時は)本物の選挙ポスターみたいになっていて面白いなと思いました。
公約を見て推しの石仏を決めてから石仏を見ると楽しさが倍増しました」(エサさん)

それにしても、どうして仏様たちの選挙を行ったのだろうか?

記者は7月1日、臼杵市観光協会の同イベント担当者にも話を聞いた。

担当者によれば、きっかけは「観光客の減少」だったという。

「石仏への興味を深めてほしい」

臼杵石仏(磨崖仏)は、平安時代後期から鎌倉時代にかけて彫刻された石仏群。「国宝臼杵石仏」の施設内には全部で61体の石仏が安置されていて、その全てが国宝に指定されている。

歴史的にも価値がある史跡なのだが、「説明がないと難しい」「若い人には馴染みが薄い」などの理由から石仏を見に来る人は年々減少しているそう。

1972年には30万人いた観光客は、2019年には11万人に、2021年には4万人にまで減ってしまったという。

そこで企画されたのが、61体の中から厳選した9体の石仏それぞれに公約ポスターを作り、観光客に自分の「推し仏」を選んで投票してもらうという「国宝臼杵石仏美仏総選挙2021」だった。

「愛染明王坐像」のポスター(画像は臼杵市観光協会提供)
「愛染明王坐像」のポスター(画像は臼杵市観光協会提供)
「この総選挙を通して、ただ見学するだけでなく表情豊かな仏様の姿を観て、それぞれの仏様の意味や歴史に触れて、石仏への興味を深めてほしいと思い企画しました」(同担当者)

ちなみに、当時新型コロナウイルスの影響で県外に行けない学生が修学旅行として臼杵石仏を見学する機会が増えていたことも、企画に至った理由の1つだった。

投票は2021年8月1日~10月31日までの期間中、現地投票とweb投票によって行われ、最終的な投票総数は9057票。

そうして厳正なる選挙の結果誕生したのが、「大日如来坐像」を内閣総理大臣とした、「第一次美仏内閣」だった。

厚生労働大臣には「金剛力士立像」、財務大臣には「多聞天立像」など、9体全てに役職が与えられた(画像は臼杵市観光協会提供)

総選挙開催後は、企画が「第31回日本プロモーション企画コンテスト」で「地域キャンペーン特別賞」を受賞。

地元小学校でも臼杵石仏を学ぶ授業の中に「美仏総選挙」の内容が取り入れられるなど、「多くの人に臼杵石仏の魅力をPRすることができた」と同担当者は振り返った。

「推し仏を選んだ理由としてコロナに関連するお声も多かったので、臼杵石仏が皆様の心の支えに少しでもなればと思いました」(同担当者)
総選挙をきっかけに知名度アップ!(画像は臼杵市観光協会提供)

安心感が半端ない「美仏総選挙」に、X上ではこんな声が寄せられている。

「どれも徳が高そうですよね!」
「金剛力士の正義の筋肉で吹きました」
「阿弥陀一族が強い地域だね(笑)」
「どの人が当選しても世の中が良くなりますね」

なお、次回の総選挙の開催については今の所は未定とのことだが、担当者はこうも述べていた。

「解散すれば......あるかもしれません」
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