芋煮にするには固すぎたけど... 毎年数トン単位で廃棄されてた「親芋」がキムチになって欠点→魅力に
2024年3月1日、山形県のサトイモ農家の組合「さがえ子姫芋組合」(寒河江市)は、サトイモを使った新たな漬け物を発売した。 それが、「子姫芋キムチ」である。
「子姫芋」とは、寒河江市で古くから育てられているサトイモだ。
郷土料理「芋煮」でたくさんのサトイモを食べる山形県民。総務省統計局の家計調査によると、年間でサトイモのために支出する金額は、山形市が全国1位(21~23年平均、二人以上の世帯)。なんと全国平均の2.5倍もの額を、サトイモのために使っている。
しかし、芋煮では、サトイモのすべてを食べるわけではない。
サトイモというのは、大きな「親芋」の周りに、小さな「子芋」や「孫芋」がくっついている。しかし、さがえ子姫芋組合のプレスリリースによると、芋煮で使うのはやわらかい「子芋」や「孫芋」のみ。
親芋はとても固いため、芋煮には向かない。だからこれまで、多くの親芋が廃棄されてきた。その量は毎年数トンにものぼっていたという。
しかし――「せっかく作った里芋だから全部食べて欲しい」。
生産者のそんな思いから開発されたのが、「子姫芋キムチ」。廃棄される理由になっていた「固さ」を逆に活かし、シャキシャキとした漬け物に。今までにない食感のキムチになったとのこと。
「子姫芋キムチ」は山形県内の道の駅、JA産直市場、首都圏各小売店のほか、寒河江市で料亭とレストランを運営する「ひがしもん」によるBASE上のネットショップでも購入可能。
BASE上では1箱4個入り2000円(税込)。