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青空の下、スキーリフトで行き交う「大量の稲」 高級ブランド「天空米」の製造風景が夢みたいにシュール

松葉 純一

松葉 純一

2023.10.05 08:00
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「新米」の季節がやってきた。

美味しい米を、焼き魚と味噌汁で、ひたすら食べたい。血糖値のことなど忘れて、食欲に忠実に従いたい。そんなご飯好きな読者も多いことだろう。

ところでいまSNSで話題になっている「天空米」って、ご存じだろうか?

天空米(画像提供:石打丸山スキー場)
天空米(画像提供:石打丸山スキー場)

こちらが、噂の「天空米」。刈り取られた稲がスキー場のリフトに載り、空を行き交っている。

なんともシュールな光景だ。これはいったい、何ごと?

Jタウンネット記者は、「天空米」を製造販売する企業・JLC(新潟県南魚沼市)に詳しい話を聞いた。

水分計をチェックしながら、リフトを動かす?

「天空米」は、JLC社のオリジナルブランド米。新潟県南魚沼市にある石打丸山スキー場のリフトを活用して、乾燥させているという。リフトに載せて乾燥させるとは、かなり斬新だ。

10月2日、Jタウンネットの取材に応じた同社によれば、スキー場のリフトを使って「天空米」の乾燥作業を行うのは、9月下旬から10月上旬の10日間ぐらい。わずかな期間しか見られない貴重な光景だという。

「10人ほどのスタッフで、刈り取ってきた稲束をリフトに載せ、水分計をチェックしながら、裏表まんべんなく乾燥させていきます。陽射しを見ながらタイミングを見て、リフトを止めたり、動かしたり、キメ細かい調整が必要な作業です。通常の天日干しなら1週間以上かかる乾燥作業を、『天空米』は数日以内に完了します」

ただ乾燥させるといっても、稲をスキーリフトに載せっぱなしで、のんびり行ったり来たりすれば良いだけの簡単な作業では、けっしてない。稲に含まれている水分を細かくチェックしながら、一刻も早く乾燥させる。

短時間に乾燥させるためのノウハウががっちり蓄積されているのだ。

元々はリフトの管理会社であったJLCが、「天空米」のプロジェクトを始めたのは、20年ほど前。

魚沼という日本有数のブランド米生産地のお膝元とはいえ、「天空米」ブランドを育てるには大変な苦労もあった。

「よそのスキー場で同様の事業を手がけた業者さんもいましたが、早々に撤退されましたね」(JLC)

リフトを動かす経費もかかる。天候にも左右される。20年間の試行錯誤の結果を緻密に活用しながら、「天空米」は作られているというワケだ。

「天空米」の販売は、オンライン通販がメイン。購入者の7~8割がリピーターだという。今シーズンも早くも半数以上が、予約で販売済み。

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