「家族4人、車で目指した東尋坊。無言で信号待ちをしていると、車内の様子を見たトラックドライバーが...」(静岡県・50代女性)
シリーズ読者投稿~忘れられない「あの人」と~ 投稿者:Yさん(静岡県・50代女性)
30年近く前、Yさんと夫は幼い2人の子供を連れて、福井・東尋坊へ向かっていた。
車内は無言。そんな状態で信号待ちをしていたら......。
Yさんの体験談
まだ、子供達が幼かった30年近く前、家族4人で福井方面へ旅行に行きました。
ナビは無く、地図が読めない私の心許ない案内でハンドルを握る夫。私の説明が下手なこともあり、お互いにイライラしていました。
サングラスに見下ろされ...
無言のまま赤信号で止まっていると、左隣のトラックの運転手が私に向かって、ぶっきらぼうに声を掛けてきました。
「おい、どこまで行くんや」
ひぇ~っ! 上から見下ろしてきたのは、サングラスの男の人。私はおっかなびっくり答えました。
「と、東尋坊までです」
「よし、途中まで一緒やからついてこい」
びっくりやら、怖いやら、ありがたいやら......。色んな感情が入り混じった「ありがとうございます」を伝え、信じて付いて行くこと30分程。
ある分岐点で左に止まった運転手が、ドアを開けて降りて来ました。私達も降りてお礼を言うと......。
「ええよ、地図見とって迷っとるようやったから放っておけんかったんよ。気持ちわかるからな。後はこの道、真っ直ぐ行ったら着くわ。ほな、気ィつけてな」
彼はにこりと笑うと、再びトラックに乗り込んで走り去りました。
なんという親切! なんという格好良さ! 夫と2人で感激しながら見送りました。
ちゃんと名前と住所を聞けばよかった。神様っているんですね、感謝します。
誰かに伝えたい「あの時はありがとう」、聞かせて!
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