「登校中の私の真横に『スーッ』と停まった見知らぬ車。運転手の男性に『乗りなさい』と言われ、断ったけど...」(徳島県・40代女性)
シリーズ読者投稿~忘れられない「あの人」と~ 投稿者:Yさん(徳島県・40代女性)
その日、Yさんはびしょ濡れになりながら学校に向かっていた。
台風が来ていて、雨は土砂降り。田畑や側溝からは水があふれ出て、彼女は膝まで水につかりながら歩くしかなかったという。
<Yさんの体験談>
今から30年以上も昔、高校3年だった時の話です。その日は台風が来ていて、朝から大雨洪水警報が発令されていました。
学校に電話すると「暴風警報ではないので学校は休みではない。来れる人は来なさい」とのこと。
母に「車で送ってほしい」と頼んだのですが、喧嘩中だったこともあって無視されてしまい(その頃私は反抗期真っただ中でした)、仕方なく傘をさして歩いて学校へ行くことにしました。
横に止まった車から、男性が...
自宅から学校までは自転車で10分ほど。土砂降りで、近隣の田畑や側溝から濁った水が溢れ出ていました。傘も強風でひっくり返ってしまいます。
私は膝まで水に浸かり、頭からずぶ濡れになって歩くしかありませんでした。
そんな中、一台の車がスーッと横に止まりました。
車を運転していた男の人は窓を開けて「乗りなさい!」と声をかけてくれました。
車内を見ると、幼い男の子が乗っています。保育園へ向かう途中だったのかもしれません。私は「ずぶ濡れなので乗れません」と答えましたが、男性は「いいから乗りなさい!」。
「知らない人の車だしな......」と躊躇しましたが、子供が乗っているので心配ないと思い、乗せてもらうことにしました。
車の中で何を話したのかは覚えていません。学校に到着し「ありがとうございました」とだけ言って車を降りたような気がします。車のシートはビショビショだったはずです。
当時の私は未熟でした。どこの誰だか名前も聞けず、その方の顔も覚えていません。きちんとお礼もできないまま30年以上経ってしまいました。心残りでなりません。改めてあの時のお礼を言いたいです。
誰かに伝えたい「あの時はありがとう」、聞かせて!
名前も知らない、どこにいるかもわからない......。そんな、あの時自分を助けてくれた・親切にしてくれた人に伝えたい「ありがとう」を心の中に秘めている、という人もいるだろう。
Jタウンネットでは読者の皆様の「『ありがとう』と伝えたいエピソード」を募集している。
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(※本コラムでは、プライバシー配慮などのため、いただいた体験談を編集して掲載しています。あらかじめご了承ください)