暗闇で光る真っ赤な目、浮かび上がる白い顔... 佐渡島にある「ウサギ観音」がいろんな意味でユニークすぎる
白い体に、赤く光る眼、そのお腹からは人間のような顔が――。
夜のお寺でそんな像を見かけたら、思わず腰を抜かしてしまうかもしれない。
でも、それが新潟県佐渡市の長谷寺なら、安心していい、だってそれは、観音様だから。
......と、知っていてもビックリしてしまうこちらは「うさぎ観音」。お腹に観音様の顔が彫られている。
この写真は2022年11月20日、日本各地での旅行の様子をvlogで発信している旅先研究家のマルコ(@Marco_daiziten)さんが「超怖いwww」とつぶやきながら投稿したもの。
Jタウンネット記者は12月19日、マルコさんに撮影当時の話を聞いた。
「暗闇の中で赤い目が...」
マルコさんがウサギ観音の存在を知ったのは、2022年9月14日。40歳記念の東日本一周旅行の途中だったという。まず、昼に一度下見をしておこうとレンタカーで長谷寺を訪れた。
「昼に見るとなんともシュールでかわいらしかったです。お腹に観音様が彫られているのも他では見られないと思いました」
しかしその夜、マルコさんが再びウサギ観音を見に行くと――。
「暗闇の中で赤い目が煌々と輝いていて『怖いw』の一言です」
昼と夜で違う表情を見せるウサギ観音、いったいなぜ目が赤く光るようにしたのか。Jタウンネット記者は17日、長谷寺の住職にも話を聞いた。
「本当はウサギの目から...」
ウサギ観音は2018年11月3日に建立された。シンガポールのマーライオンのような世界に通じるモニュメントを作り、観光客に来てもらおうという考えからだった。
お腹に彫られているのは十一面観音。境内にいた草取りウサギを守ってくださるようにとの思いが込められており、ここならではの珍しい像だという。その隣には同寺にある有形文化財の保全のための寄付を記念として建立された「子ウサギ観音」も並ぶ。
気になるのは、なぜウサギの目が赤く光るのか。住職に聞くと、当初は目を光らせることは考えていなかったという。しかし、次のような計画を立てていた。
「日中にウサギの目からビームを出す予定でした」(長谷寺・住職)
それもただのビームではなく、2~3キロ先まで飛ぶようなものを出そうとしていた。しかし9割ほど完成したところで、航空法に抵触することが分かり泣く泣く断念。かわりに太陽光で光るライトにしたとのことだ。
せっかくなので、ウサギ年である2023年のうちに行ってみたい場所だ。
なお、現地を訪れたマルコさんは、初めて訪れる人に向けてこんなアドバイスをしてくれた。
「夜は真っ暗で、最後だけ山道になりますし、寺の敷地が広いためナビも近くで終わってしまい入り口までたどり着けません。初めて行く人で夜の姿を見たい方は必ず下見をするのがオススメです」