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旅先いい話

タクシーを飛び出して全力疾走するドレスの女と、後を追う12人のスーツの男 夜の大阪で起こった「珍事」の真相

井上 慧果

井上 慧果

2022.12.20 11:00
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「走りながら考えてましたよ...」

もちろん全員、ドアの周りに座り込んでゼエゼエ、ハアハア。お互いに目が合うと、照れ隠しのように笑いが起きました。

「走りましたねぇ...もう、本当に疲れた~」と私が言うと、

「いやぁ...貴女の力強く走る姿に励まされましたよ!よっしゃ!行くぞって、アハハ」
「いや、僕もです!間に合わない、もう、泊まりだと諦めるところでした。でも諦めちゃだめだ!って」
「私は、走りながら考えてましたよ。面白い!ガッツがある!間に合わんかったら私がレンタカー借りて、皆を関東まで乗せてやろうって」

と皆さん。談笑する私たちを、車内販売の女性は驚いた顔で見ていました。髪を夜会巻きに結い上げた派手な黒いドレスの女が12人のサラリーマンと笑う姿は異様だったかも......?

サラリーマンたちと一致団結していた(画像はイメージ)
サラリーマンたちと一致団結していた(画像はイメージ)

新大阪から新横浜までの短い間ですが、楽しい会話でした。そして企業戦士たちは、それぞれの駅で下車していきました。

私は東京駅からタクシーで会社へ。社屋の入り口で馴染みの守衛のお爺さんが「おかえりなさい。いつも遅くまで大変だね」と、いつものように笑顔で迎えてくれました。

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