テーマカラーは「夕日が沈む空の色」 江の島で開催中の国際芸術祭が、エモエモのエモだった
江ノ島で「芸術祭」が開催されている──2022年5月某日、Jタウンネット記者はそんな噂を耳にした。
神奈川県藤沢市の公式サイトによると、22年4月11日~5月31日の期間、江ノ島島内や片瀬海岸エリアの各所で絵画や写真など様々なアートが展示される「江の島国際芸術祭」が開催されているという。
風光明媚な江の島で行われる芸術祭......なんだか「エモみ」を感じるではないか。
というわけで、記者は5月9日、主催である湘南藤沢ナイトツーリズム推進協議会事務局にイベント概要について話を聞き、18日には実際に現地を訪れてみた。
事前に事務局の局員から聞いた話によると、同イベントのテーマカラーは「夕日が沈む空の色」。
写真を撮るなら晴れた日の夕方ごろがオススメだというので、記者は陽が沈む少し前に江ノ島へ。
記者が訪れた日は、江ノ島の頂上にある庭園「江の島サムエル・コッキング苑」内に建っている展望灯台「江の島シーキャンドル」で作品展示が行われていた。
「湘南」を感じる作品たちがズラリ
最初に向かったのは、シーキャンドルの1階にある郷土資料室だ。
写真家や画家、中学校の美術講師など計8人のアーティストたちによる、江ノ島の美しい風景を撮影した写真作品や、絵画、ステンドグラスアートなどが展示されていた。
同事務局の局員によると、
「アーティストの方々は、イベントの総合監督である藤原大さんをはじめ、湘南出身の方や、湘南を拠点として活動している方、長年湘南のイベントに携わっている方など、皆さん湘南にゆかりのある方々です」
とのことだ。
美術や芸術にはあまり明るくない記者だが、たしかにどの作品にも「江ノ島」や「湘南」と聞いて思い浮かべる、自然豊かで爽やかな雰囲気が感じられた。アーティストたちの湘南への愛がにじみだしているのだろう。
夕陽に照らされる会場も美しい
いよいよ日の入りも近づいて来たところで、次はエレベーターでシーキャンドルの展望フロアまで上がる。
地上41.75メートルにある展望フロアにも、江ノ島ゆかりのアーティストたちによる作品が展示されていた。
また、フロアの周囲はガラス張りになっているため、日の入りが近づくにつれて室内に夕陽が差し込んでくる。
フロア自体も、まるで一つの美術展示のような雰囲気。これは滅茶苦茶にエモい。
せっかくシーキャンドルに登ったのだから、最後は屋外展望台へ。
イベントのテーマカラーが「夕日が沈む空の色」というだけあって、夕暮れに染まる江の島の景色そのものも、さながら1枚の絵のように綺麗だった。
今後はより広範囲での実施を
今回が初開催となる「江の島国際芸術祭」。開催までの経緯について、記者は改めて湘南藤沢ナイトツーリズム推進協議会事務局に聞いてみた。
「藤沢市は風光明媚な景観と東海道五十三次の宿場町の一つとして発展し、江島神社での芸能・芸術の神様である弁財天の信仰や、浮世絵をはじめとした多くの文化芸術が生まれてきました。
また、現在は湘南の海や美しい空、江の島の豊かな緑で色彩溢れる環境の中、多くの作家やクリエイティブ関係者が湘南を拠点として活動しています」(同事務局・局員)
かつてこの場所で生まれた文化や芸術、そして現在新しく生まれているもの。それらの振興を目的として、今回の芸術祭の開催に至ったという。
「『オーッ』『ワーッ』『すごい!』、といった人々の共通である感情を呼び起こして、それを来場者や参加者の皆で共有できることを目指しています。
期間中は多種多様なイベントを実施していますので、ぜひ本イベントを通して、お連れの方や他の来場者の方々と感情を共有しながら楽しんでいただけたら幸いです」(事務局員)
今回は江の島島内や江の島周辺での実施に留まったが、今後は藤沢市街にエリアを広げて、より広範囲でのイベント実施を目指すそう。
また、実空間だけでなく仮想空間に関わるような企画も検討しているとのことだ。
「江の島国際芸術祭」がどんなふうに広がっていくのか、これからも目が離せない!