「疲れ果てたおばあさんが『席を譲って』と頼み込むと、中年男性が大激怒。怒鳴られているうちに彼女は...」(千葉県・50代女性)
背の小さなおばあさんが、混雑した車内で立っていた。目の前には、中学生くらいの男の子が座っていて、
「すみませんけど、席譲ってもらえないやろうか。
今日墓参りとかいろいろ行く所あって、ほんとに疲れてるんよ」
と頼んでいたという。その様子を遠目で見ていたのは、千葉県在住のO寺さん(仮名、50代女性)だ。
これから紹介するのは、彼女がJタウンネット編集部宛に寄せた一通のメール。
満員の電車内で見たという、おばあさんと、ある親子の間で繰り広げられた後味の悪いやりとりである。
おばあさんの「席譲って」という一言が、男の子の隣に座る男性に火をつけた――。
「何言ってるんだ!息子だって疲れてるのに!」
そして、その後も繰り返し、おばあさんに文句を言っていたという。
「ごめんね、ボク。そうとは知らずにごめんね」
とある駅から、背の小さなおばあさんが乗り込んで来ました。
当時車内は混雑していて、おばあさんは押し込まれるように、座席の前に立ちました。
目の前には、中学生くらいの男の子。おばあさんは申し訳なさそうに、
「すみませんけど、席譲ってもらえないやろうか。
今日墓参りとかいろいろ行く所あって、ほんとに疲れてるんよ」
と頼みこんでいました。私から少し離れていたので、様子を見ていると、隣の男性が
「何言ってるんだ!息子だって疲れてるのに!」
と声を荒げました。
どうやら隣の中年のサラリーマン風の男性は、男の子の父親だったようです。
おばあさんは驚いて、
「ごめんね、ボク。そうとは知らずにごめんね」
と、平謝り。
すると父親の隣に座っていた男性がスッと立ち、おばあさんに席を譲りました。
おばあさんは礼を言って座りましたが、父親はまだ怒りが収まらないのか、
「すぐそばに優先席があるじゃないか。どうしてそこに行かないんだ。年寄りだと思って、甘えるな!」
と、まだ文句を言っていました。おばあさんは、また平謝りしていました。
「ごめんね、ボク。悪かったね。ほんとに疲れてて、つい言ってしまったの。悪かったね」
その言葉を、繰り返しています。
怒られているうちに、おばあさんは一駅乗り過ごしてしまいました。
「大丈夫!おばあさんは悪くない」しか、言えなかった
私と共に降りたおばあさん。すっかりしょげています。
「大丈夫!おばあさんは悪くない」
私は、そう声をかけるので精一杯でした。
なぜあの時、サラリーマン風の父親にちゃんと言えなかったんだろう。
「おばあさん、謝ってるじゃないですか。たとえ優先座席であろうとなかろうと、席を譲ってあげるのが、マナーですよね。
息子さんが疲れてるのなら、お父さんがかわってあげるなり、二人共疲れているのなら
『スミマセン。こちらも疲れてるので』で済みますよね。どうしてそこまでおばあさんを責めるのですか?」
今でも、満員電車のおばあさんの小さな背中を思い出し、悔やむことがあります。
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