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「疲れ果てたおばあさんが『席を譲って』と頼み込むと、中年男性が大激怒。怒鳴られているうちに彼女は...」(千葉県・50代女性)

井上 祐亮

井上 祐亮

2021.08.10 11:00
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背の小さなおばあさんが、混雑した車内で立っていた。目の前には、中学生くらいの男の子が座っていて、

「すみませんけど、席譲ってもらえないやろうか。
今日墓参りとかいろいろ行く所あって、ほんとに疲れてるんよ」

と頼んでいたという。その様子を遠目で見ていたのは、千葉県在住のO寺さん(仮名、50代女性)だ。

これから紹介するのは、彼女がJタウンネット編集部宛に寄せた一通のメール。

満員の電車内で見たという、おばあさんと、ある親子の間で繰り広げられた後味の悪いやりとりである。

おばあさんの「席譲って」という一言が、男の子の隣に座る男性に火をつけた――。

「何言ってるんだ!息子だって疲れてるのに!」

そして、その後も繰り返し、おばあさんに文句を言っていたという。

「ごめんね、ボク。そうとは知らずにごめんね」

とある駅から、背の小さなおばあさんが乗り込んで来ました。

当時車内は混雑していて、おばあさんは押し込まれるように、座席の前に立ちました。

目の前には、中学生くらいの男の子。おばあさんは申し訳なさそうに、

「すみませんけど、席譲ってもらえないやろうか。
今日墓参りとかいろいろ行く所あって、ほんとに疲れてるんよ」

と頼みこんでいました。私から少し離れていたので、様子を見ていると、隣の男性が

「何言ってるんだ!息子だって疲れてるのに!」

と声を荒げました。

おばあさんの様子を見ていた私(画像はイメージ)
おばあさんの様子を見ていた私(画像はイメージ)

どうやら隣の中年のサラリーマン風の男性は、男の子の父親だったようです。

おばあさんは驚いて、

「ごめんね、ボク。そうとは知らずにごめんね」

と、平謝り。

すると父親の隣に座っていた男性がスッと立ち、おばあさんに席を譲りました。

おばあさんは礼を言って座りましたが、父親はまだ怒りが収まらないのか、

「すぐそばに優先席があるじゃないか。どうしてそこに行かないんだ。年寄りだと思って、甘えるな!」

と、まだ文句を言っていました。おばあさんは、また平謝りしていました。

「ごめんね、ボク。悪かったね。ほんとに疲れてて、つい言ってしまったの。悪かったね」

その言葉を、繰り返しています。

怒られているうちに、おばあさんは一駅乗り過ごしてしまいました。

「大丈夫!おばあさんは悪くない」しか、言えなかった

私と共に降りたおばあさん。すっかりしょげています。

「大丈夫!おばあさんは悪くない」

私は、そう声をかけるので精一杯でした。

後悔していることがあります(画像はイメージ)
後悔していることがあります(画像はイメージ)

なぜあの時、サラリーマン風の父親にちゃんと言えなかったんだろう。

「おばあさん、謝ってるじゃないですか。たとえ優先座席であろうとなかろうと、席を譲ってあげるのが、マナーですよね。
息子さんが疲れてるのなら、お父さんがかわってあげるなり、二人共疲れているのなら
『スミマセン。こちらも疲れてるので』で済みますよね。どうしてそこまでおばあさんを責めるのですか?」

今でも、満員電車のおばあさんの小さな背中を思い出し、悔やむことがあります。

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