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鳥取砂丘は「日本で2番目に大きい砂丘」ってホント? 県に聞くと...「そうとも言い切れない」

松葉 純一

松葉 純一

2021.07.05 06:00
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太平洋からの飛砂で作られた、南北17キロ、東西2キロの砂丘

猿ヶ森砂丘は、下北東部の太平洋に面した海岸にある。

投稿者のゲンさんが猿砂丘に関心を持ったのは、なぜだったのだろう?

「過去に学校で教科書か何かで教わったことがあるのが理由だと思いますが、『猿ヶ森砂丘の殆どが自衛隊に利用されている』といった、ちょっと特殊な土地として記憶に残っていた感じはありますね」(ゲンさん)

次にJタウンネット記者は、7月1日、下北ジオパーク推進協議会事務局に電話して詳しい話を聞いた。電話で答えたのは、事務局担当者だった。

「猿ヶ森砂丘は南北17キロ、東西2キロに及び、面積は約3400ヘクタールとされています。正式に計測しているわけではないのですが、おそらく日本最大規模と呼んでよろしいのではないかと思います」
「猿ヶ森砂丘の形成は、約6000年前の縄文海進期以降に、太平洋からの飛砂で作られたと考えられています。飛砂の範囲は内陸約2キロにも達しています」(下北ジオパーク推進協議会事務局担当者)

砂丘の中心部は自衛隊の敷地となっており、立入禁止となっている。ただ砂丘の両端であれば、猿ヶ森砂丘の広大さに触れることもできるという。

「北側の尻労(しっかり)地区には集落の共有地の高台があり、砂浜が一望できます。ただし集落の許可が必要で、ガイドさんの同行がお勧めです。
南側には、小田野沢と呼ばれる漁村があり、そこから徒歩で海岸線の砂地を歩くことができます。天気さえ良ければ、北の尻労地区の高台まで見通すこともできるかもしれません。こちらも集落の許可が必要で、ガイドさんの同行がお勧めです」(下北ジオパーク推進協議会事務局担当者)
猿ヶ森砂丘(下北ジオパーク推進協議会フェイスブックより)
猿ヶ森砂丘(下北ジオパーク推進協議会フェイスブックより)

内陸部は防砂のためにクロマツが植林されている。鳴き砂がみられる場所もあり、踏みしめると「キュッキュッ」という音がするそうだ。

鳴き砂の現象は、石英の粒が60数パーセント以上の場合に起こるとされ、天候に大きく左右されるらしい。

「猿ケ森地区では、ヒバの埋没林を近くで見ることができます。ヒバの埋没林とは、地層に埋もれた立ち木の化石です。埋没は約2000年前から500年前にかけて、少なくとも4回発生したと言われています」(下北ジオパーク推進協議会事務局担当者)

見学にあたっては、猿ケ森地区の許可が必要だ。

「下北半島は太平洋、津軽海峡、陸奥湾という、3つの漁場に囲まれており、新鮮な魚の幸が味わえます。小田野沢ではヒラメ、大間のマグロ、佐井のウニ、脇野沢のマダラ、風間浦のアンコウなど、美味しい魚介類が魅力です」(下北ジオパーク推進協議会事務局担当者)

日本一大きい(と考えられる)砂丘を見て、美味しい魚を堪能する。そんな旅を味わってみたいと思った。

ところで、鳥取の砂丘の方も気になったので、7月2日、鳥取県生活環境部にも電話で確認した。「緑豊かな自然課」担当者が次のように答えた。

「砂丘の面積では、おそらく青森県の猿ヶ森砂丘が日本一かと思います」

面積を計測したデータはないが、猿ヶ森砂丘より小さいことはほぼ間違いないという。

さらに、2位以下の順位については、諸説あり、「2位だ」とは言い切れないそうだ。

計測の仕方が各県によってまちまちである、というのが理由とのこと。

しかし、と担当者は語る。

「しかし鳥取砂丘が日本一だと思うのは、次の3点です。
●砂丘本来の姿を残していて、風と共に砂が動く自然の姿が維持・保全されていること
●鳥取砂丘は砂と砂の間に火山灰層を挟んでいて、そこから砂丘の形成過程が分かるということ。
●鳥取砂丘に来られた方はその起伏の大きさに驚かれます」

砂丘日本一はどちらか? やはり両方に、行ってみなければ......。

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