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プールの底に沈む「アザラシの寝姿」に反響 息をしなくて大丈夫なの?水族館に聞くと...

井上 祐亮

井上 祐亮

2021.06.16 06:00
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アザラシ、スヤスヤ(写真はおたる水族館の公式ツイッターから)
アザラシ、スヤスヤ(写真はおたる水族館の公式ツイッターから)

よく見ると水中で寝ています――。

こんな呟きとともに投稿された写真が、ツイッターで注目を集めている。

これは、北海道小樽市「おたる水族館」の公式アカウント(@otaruaquarium)が2021年6月14日に投稿した写真。

ゴロンとしているのは、メスのゴマフアザラシだ。

スヤスヤ姿に、ツイッターでは「可愛い」「気持ち良さそう」といった反応のほか、

「いきてますか...」
「どうやって呼吸するんでしょうか?」
「初見だとめっちゃびっくりする光景」
「ねえ!息忘れてない!大丈夫なの!?」

といった疑問の声も。

アザラシは、人間と同じ哺乳類。

肺で呼吸しているのに、どうして水中で寝ることができるのだろう。

Jタウンネット記者は15日、おたる水族館を取材。飼育部海獣飼育課の職員で、ゴマフアザラシなどの飼育担当者に詳しい話を聞いた。

お客さんからも「アザラシ、大丈夫ですか...?」

担当者によると、写真は、イルカなどを担当する飼育員が6月13日の昼過ぎに撮影したもの。

ゴロンとしているのは、もちろん倒れているわけではなく、プールでお昼寝中とのことだ。

「当時、どのくらい寝ていたのかは分かりかねますが...。長い時は1時間近く寝ることもありますよ。
だいたい10分から15分に1回くらい水面に上がってきて、また沈みます。それを繰り返します。
そのきっかけは彼らの気分次第ですので、よくわからないのですが...」(担当者、以下同)

アザラシが水中で寝ることは、珍しくないようだ。

「陸上で移動するよりも水中を泳ぐのが得意な動物です。寝るときなどは、水中のほうが外敵が来たときには有利だと言われています」

地上にいる間は、鼻をパカパカと開閉し呼吸。水中で寝る際は、鼻から空気を肺に取り込んで、閉じたまま沈むという。

それにしても10分潜っていられるのってスゴイ。どうしてそんなことが可能なのか、担当者に聞くと

「アザラシは、人間よりも血液中に酸素を多く取り込めるので、それを使って長く息を止めていられます」

とのこと。

長い間、水中でゴロンとしている寝姿に、お客さんからは、どんな反応があがっているのだろう。

「お客さんがいる時は、あまり寝ません。プールの端っこの方で顔を沈めて寝ていることはありますが...。
そんなとき、大丈夫ですかね?アザラシ動かないんですけど...、生きているんですかね...、と飼育員に声をかけてくださる方はいますね」

大丈夫、アザラシは生きている......。むしろ心地よく寝ているのだ。

担当者は水中での寝姿に反響があることに、

「アザラシって、一般の方からすると未知の生き物なのかなっていう気がします。
こうした姿をご覧いただいて、どんな生き物なんだろう、野生ではどんな生活をしているんだろう...、といった興味を持って、よりアザラシのことを知るきっかけになればと思っています」

と話した。

おたる水族館は、新型コロナウイルス感染拡大防止のため6月20日まで臨時休館中。

21日以降の営業は15日時点で未定だが、公式ツイッターやユーチュブチャンネルで生き物のいろんな姿を発信している。

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