関東人は知らない? 京都府民が愛する「ラーメン横綱」のジャンキーな魅力とは
マニアと味わう「ご当地カップ麺」の世界
第四十五回 東洋水産「ラーメン横綱 豚骨しょう油」 文・写真:オサーン
カップ麺ブロガーのオサーンです。「ご当地カップ麺」をレビューする連載の第四十五回目となる今回は、京都ラーメンの人気チェーン店「ラーメン横綱」監修のカップ麺をご紹介します。
「ラーメン横綱」は京都ラーメンの有名店
「ラーメン横綱」は、京都を中心に関西や東海地方などで40店ほど展開する京都ラーメンのチェーン店です。
関西や東海では絶大な知名度を誇る一方で、関東では千葉県のみに出店。同じ京都ラーメンでも最近まで千葉県にだけ出店していなかった「天下一品」とは対照的です。
ただ、カップ麺やチルド麺、冷凍麺などでもラーメン横綱の商品が出回っているので、ご存じの方も多いのではないかと思います。
京都ラーメンは、濃口醤油で真っ黒なものや、背脂チャッチャ系、鶏のドロドロスープなど多岐にわたりますが、全般的に京料理で思い浮かぶようなあっさり味とは対極のこってり系が多いのが特徴です。
ラーメン横綱は1972年に屋台から創業した京都ラーメンの代表的な存在の1つとして知られ、お店のメニューは豚骨醤油味が基本。多くの他の京都ラーメンと同じくこってり系です。店舗によっては、味噌ラーメンやセットメニューなど、他のメニューも充実しています。
内容物を確認
別添袋は全部で4袋入っていて、定価税別270円という高価格設定に見合うリッチな構成。カップには袋以外にノンフライ麺のみ入っていました。
先入れのかやく2袋と粉末スープを麺の上に開けた状態。2袋構成でかやくが入っていて、特にフリーズドライブロックの豚肉が目を引きます。
鶏ガラを効かせた豚骨醤油味のスープ
豚骨と鶏ガラをベースとしたやや甘みのある豚骨醤油スープです。醤油色と豚骨の乳白色で飴色になっており、いかにも濃厚そうな色合いとなっています。お店のスープに比べるとちょっと醤油色が濃いようです。
豚骨醤油といえば家系ラーメンが席巻していますが、家系の醤油の強いスープに比べるとマイルドで、醤油と豚骨のバランスが良好。相対的に豚骨の厚みをしっかり感じられるところが家系との大きな違いと言えるかもしれません。
濃厚な豚骨醤油味でありながら、鶏ガラがしっかり効いたちょっと懐かしい味わいで、歴史のある京都ラーメンらしさのように感じました。お店の味をしっかり再現できています。
スープ表面には、豚脂を始めとする油脂が浮いています。ベースの豚骨が中心となってスープの濃厚感を担っていますが、主張しすぎない程度に豚脂でこってり感や豚の旨みを加えています。
鶏油をたっぷり浮かせた家系ラーメンに比べるとあっさりしているように見えますが、油が目立ちすぎないことで豚骨の厚みを引き立てていました。
中太ストレート形状のノンフライ麺
中太でほぼストレート形状のノンフライ麺が使われています。表面のつるみと弾力の強さが特徴の多加水麺食感で、見た目はお店の麺とよく似ています。
パッケージには「生麺ゆでてうまいまま製法」と書かれており、東洋水産の定番カップ麺シリーズである「正麺カップ」と同じ製法の麺が使われています。
実際食べてみても正麺カップと同様の特徴で、ラーメン横綱の再現商品でありながら、正麺カップの派生商品的な性格も持っていました。
具は肉感のあるチャーシューなど
具として入っているのは、細切れのチャーシュー、メンマ、ねぎ。
細切れのチャーシューはフリーズドライブロックで、脂身は少なくてあまりジューシーではないものの、がっしりした肉感があり噛み応え十分。昔懐かしのお店でよく出てくるちょっとかたいチャーシューに近いものがあります。
他にメンマやねぎが入っており、価格は高いですが具はそれなりに充実しています。お店だと無料でねぎが入れ放題で山盛りも可能ですが、さすがに今回はそこまで入っていないので、物足りないなら自分で用意しても良いかもしれません。スープが濃いのである程度ねぎをたくさん入れても大丈夫です。
スープがおいしかったのでごはんを入れてみた!
濃い豚骨醤油味スープの家系ラーメンを食べるにはごはんが必須と思っていますが、今回のスープもごはんとよく合いそうだったので、がっつり入れて食べてみました。
ごはんの甘みと醤油味のスープが好相性です。太い豚骨が下支えする形で味を持ち上げており、想像通りとてもおいしい組み合わせでした。麺も良いですが、ラーメンライスも絶対おすすめです。
家系ラーメンとは異なる豚骨醤油の魅力
京都ラーメンの有名チェーン店、「ラーメン横綱」のカップ麺を食べてきましたが、豚骨の太さが際立つ豚骨醤油スープで鶏ガラによる懐かしさも感じられ、とてもおいしいスープでした。ごはんを入れて食べたくなる味です。
定価税別270円で少し高額なこと、さらに実店舗のある地域以外ではなかなか手に入れ難いことなど、難点もないわけではありません、ですが、同じ豚骨醤油でも家系ラーメンとはまた違う魅力があり、お店で食べたことがある方にもない方にもおすすめしたいカップ麺でした。