「これ以上のものは収穫したことがない」 トマト農家が忘れられない「完璧なハート型トマト」がこちら
8月10日が何の日か、ご存じだろうか。
いきなり、種明かしする。実は、「ハ」と「ト」で、ハートの日だ。いや、ジョークではない。日本心臓財団と厚生省によって制定された記念日で、「心と身体をケアして、この時期に増える心臓病を予防する」ことが提唱されているという。
このハートの日にちなんで、2020年8月10日、次のような写真付きのツイートが投稿され、話題となっている。
投稿主は、新潟市でトマトとトマト加工品を生産する曽我ファームの公式ツイッター (@pasmal0220)だ。
写真は、見事にハート型をしたトマトだ。真っ赤に熟していて、いかにも美味しそう......。投稿には、
「昔遭遇したハート型トマトを見てほしいです。ハートの日。まだこれ以上のものは収穫したことがありません」
というコメントが添えられている。このツイートには、なんと27万件以上の「いいね」が付けられ、拡散が止まりそうもない。
ツイッターには、「素晴らしい、初めて見ました」「幸せな気分になりました」「食べるの勿体ない気がします」などといった声が殺到している。
このハート型トマトは、狙って作ったものなのだろうか? Jタウンネット編集部は、曽我ファームに詳しい話を聞いた。
「まったくの偶然です」
曽我農園代表の曽我新一さんによると、話題となったハート型のトマトを収穫したのは、2011年3月13日だったという。
「東日本大震災で大変な時だったのでよく覚えています。当時、皆さんに元気になって欲しくてブログに載せたりしていました」
8月10日がハートの日だということを偶然に知ったので、「ハートにまつわる写真を投稿してみよう」と思い立ったという。
ハート型のトマトは偶然にできたのだろうか、それとも......? と、曽我さんに聞いた。
「まったくの偶然です。型にははめていませんし、はめたとしてもこういう大きいトマトは正常には育たないと思います。
一つ要因があるとすれば『ファースト系』トマトを使っていることです」
ファースト系とは、トマトの品種のこと。曽我さんによれば、
「一般的な桃太郎系と違って、昔ながらの酸味がある品種で、春に栽培するとスターマークという線がびっしり入るのと、お尻が尖る特徴があります」
という。つまり、お尻の部分が尖るファースト系トマトだから、このようにきれいなハート型になったと考えられるわけだ。
「『ファースト系』は、形は歪(いびつ)で、栽培が難しい系統の品種ですが、とっても美味しいトマトです。お尻が尖るというのが、ハートの形のポイントだと思います」
ツイッターの反響の中で、おもしろいと思ったものは何だったのだろう。曽我さんに聞くと...。
「ツイッターのいいねのハートマークとそっくりという感想と、待ち受けにすると恋が実りそうという感想が、おもしろいと感じました」