兵庫の商店街に長蛇の列 マスク?トイレットペーパー?いいえ、「イカナゴ」です
2020.03.07 08:00
春を告げるイカナゴ漁
電話で話してくれたのは、明石観光協会の担当者だ。
「兵庫県の播磨地区、阪神地区では、この時期、水揚げされたばかりの新鮮なイカナゴの幼魚を購入して、自宅に持ち帰り、炊くというのが、古来より風習となっております。
イカナゴというのは春を告げる魚とも言われておりまして、こういった習慣が、いわば春の風物詩として、現代にも伝えられているのです」
イカナゴの幼魚(新子)を平釜で醤油やみりん、砂糖、生姜などで水分がなくなるまで煮込む。炊き上がったイカナゴの幼魚は茶色く曲がっており、その姿が錆びた釘に見えることから、イカナゴの「釘煮」と呼ばれるようになったとされている。
近年、不漁が続いていたイカナゴ漁だが、今年はさらに漁獲量が少なく、厳しい状況だったようだ。大阪湾では既に3月2日に終漁し、播磨灘でも3月6日に漁を終え、過去最短の漁期となった。来年以降の資源量の保護を優先することが目的だという。
「大切な資源を保護して、イカナゴの釘煮文化を守っていきたいということのようですね」(担当者)