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「飲み会での間接キスやめて」(意訳) コロナ対策で高知県が異例の声明...その理由は?

笹木 萌

笹木 萌

2020.03.02 17:00
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「間接キスなので...」

健康長寿政策課の担当者によれば、献杯・返杯には次のような意味がある。

「献杯」...基本的には飲んでいない杯を持っていき、それに酒を注ぐ
「返杯」...酒を飲み干し、杯を相手に返す。それに酒を注ぐ

高知県では、これがコミュニケーションの一つの方法として引き継がれてきた風習であるとのこと。場合によっては献杯・返杯を何度も繰り返し、その合間に話をするという。

これは職場や友人同士の飲み会、法事などあらゆる飲みの席で行われる。杯は日本酒の場合はおちょこ、ビールの場合はグラスなど様々だ。

「献杯といいつつも、若手が目上の人に行うとは限らないです。コミュニケーションのきっかけなので。例えば他の席に話をしに行くとき、杯とおちょこを持っていって杯を渡し、会話をスタートさせます」(担当者)

担当者によれば「職場の飲み会では若い人も一緒にやる」とのこと。今でも日常的に行われる文化のようだ。

また今回の自粛要請は、2月26日に首相が発表した「今後1、2週間が感染拡大防止に極めて重要であること」などを受けてのこと。高知県は翌27日、手洗い・うがいや咳エチケット等の周知とともに県の公式サイトで、

「『献杯・返杯』については、感染のリスクが大きいことを勘案し、当面の間、差し控えるようお願いいたします」

と自粛を呼びかけた。

担当者は自粛要請の理由について、

「間接キスになりますので、飲み会などで普通に話をするよりも感染リスクが高い行為だと判断しました」

と話している。献杯・返杯の自粛要請は2009年の新型インフルエンザ流行時でも自粛は呼び掛けておらず、「今回が初めてではないか」とのことだ。

「(新型コロナウイルスが)おさまったころにはひろめ市場(高知市)に来て、楽しんでいただければ。市場には小さな店がたくさん入っていて、真ん中の席に座っていれば杯を持ってくる人がいると思います」(健康長寿政策課・担当者)

今は我慢だが、いつか体験してみたい文化だ。

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